第15話テクマクポーション。

最近夏風邪が流行っている。

この村でも多くの子供が咳をしていたし、町では死者も出たと聞いている。

イヅモヤの薬店の薬も余り効かないと言う事で、魔法でポーションなる物を作ってみようと思う。


「テクマクマザコン。テクマクマザコン。薬師にな~れ」

・・・なんか台詞を間違えた?。

まあいいや。

今回は攻撃魔法では無いので、ミンキーピンクにしてみた。

なんでもポッケで出したのはコンパクト。

作ったのは病気回復ポーション。

容器は風邪薬のカプセル。

村長さんや衛士長さんそれに隣町の町長さんに見てもらい作った。

「そのなんだ・・・頭のリボンに、ピンクのパーカーそれに、ふんわかフレアスカートは必要なのか?」と、町長が尋ねたが。

「必要です」きっぱりと答えた。


実は前世でもこれに似た病気を僕は体験している。

昭和40年代に流行った法定伝染病のひとつ。

そう百日咳。

だから感冒薬では効き目が薄い。


だから、だから・・・。

頭のリボン・ピンクのパーカー・フレアスカートは必要なのだ。

そう絶対百日咳には必要。


ポリ袋に大量のカプセルを詰めた物を千作った処で、魔力と言うものが切れて寝込んでしまった。


起き上がれたのは三日後。

隣町へは陸路から一袋。

あとは船で各町や村へ運ばれたらしい。

この村や隣町は一気に終息へ向かった。

後に聞いた話では、その効果は凄まじかった。

良かった。

ミンキーピンクに成って良かったよ。

変身してくるりと回ってる処を、奥さんに見られ後退りされた。

いや逃げないで御願い。


余談だがその後母親に甘える子供や大人が増えたらしい。

けしからんなと呟いたら。

『あんたのせいだろ』ってイワレの女神様が言った。

なんで・・・?。

『テクマクマザコンな』

・・・・・あぁー一文字違う。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る