第3話 見捨てた2人

先に逃げた、2人は冒険者ギルドに報告に来ていた。

「アベルがキングベアーにやられた。」

「そんなアベルさんが!」

受付リリーは泣き崩れる。

「キングベアーの討伐依頼は出してもらいますか?」

「もちろんです!急がないと!」

「リリー落ち着け、まずは調査を行う。」

「マスター!でも!」

「落ち着け、ギルドは公平に対策を立てる。」

「それでカイン、お前は何故逃げて来られた?」

「えっ?」

「お前達のパーティーはお前が前列で攻撃、アベルが中列でフォロー、マインが後列から魔法攻撃だろ?カインがやられるのはわかるがアベルが先にやられるのは不思議なんだ、何かあったのか?」

「それは・・・」

「夜中に奇襲を受けて・・・」

「キングベアーが奇襲!あいつらはユックリ獲物に近付いてくるタイプのはず!まさか、新種か!」

「い、いやちが・・・」

カインは見張りをせずに寝ていた事を言えなかった。

マインもいたしてた事を考えても、言えるはずがなかった。


ギルドは調査を行う。

調べると、多くの冒険者の行方がわからなくなっていることが判明した。

「なんと、中堅の冒険者がこんなに・・・」

ギルドマスター、マッドは焦る、知らない内に多くの冒険者がいなくなっており。今後の探索の影響を考えると頭が痛かった。

「マスター、Aランクパーティーの虎の爪に連絡がつきました。」

「何、頼めるのか!」

「はい!」

Aランクパーティーが出てきた事でキングベアーの討伐は無難に行われる。


宿に帰ったカインとマインは2人で話し合う。

「カイン、アベル死んじゃったのかな?」

「マイン言うな・・・」

「でも、私達が見張りをしてなかったから・・・」

「言うな!アイツは俺達を逃がす為に死んだんだ、そういうことにするんだ!」

「だって、見捨てて・・・わたし何て事を・・・幼馴染みなのに・・・おじさん、おばさんに何て言えば・・・」

「マイン!アイツは死んだんだ。深く考えるな!村には帰らなかったらいいんだよ!」

「でも、私達もいつかは村に帰るでしょ、その時どういうの!」

「すぐに帰らないから大丈夫だ。帰る頃には気持ちの整理も出来ているさ。」

「でも・・・」

マインの表情は暗く、落ち込んでいた。



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