第11話 鏡の国では穿かない
「お米の地母神コマチとマイ、トラクターに揺られて一目惚れ、踊り雨降り腰光り、絹ははかない娘達、土地をまたいでいく乙女、恋に落ちてすぐやきもち」
イチヤさんは知らないと思うけど少女マンガ「コマチ&マイは地母神少女」がアニメ化された時のエンディングテーマはJ-Rapだったんです。あたしことミラはコマチ、そしてレイミ先輩はマイのコスプレ。どこかの民族衣装風だけどツーピースのへそ出し。スカートのようで実は横から見たらシースルーの腰巻。縄文時代後期からいる神様の一族だからパンツははかない。というかあたしにパンツ脱がせた幸田先生クスリ飲んで硬くしてるようなこと言ってたな。多分マイカマクラなど男の人用のあの錠剤を飲んでる、とは思う。
でも、イチヤさんに彼女がいるのか確認しないままキスしてしまった。間接キスでも鏡の国カガミスタンを覗くことは出来る。女の子だけの王様ゲーム、カラオケボックスの中でお互いファーストキスをしてしまったレイミさんは言い寄る人が居ても全く気付かない天然だから安心。でもイチヤさんは。彼女が複数居てその為に違法じゃないけどイケナイおクスリを使っているとしたら。
あたしはレイミ先輩みたいに動画サイトにダンスを投稿する勇気はありません。勇気というかネットの向こうで男の人がどんな目で見ているのか先輩考えたことあるのかな。多分無い。「動画サイトに投稿を始めた理由は何ですか」と訊いたら「そういえば何だったかしら」と考え込んでた。バイオリンは天才だけど欠落してる音楽の天才って多いから心配。
でね、あたしがもし男で、少女マンガのヒロイン顔で少年マンガのヒロインボディな先輩みたいなお姉さんがいたらと想像すると。キスだけで済む訳ないじゃない。先輩超えないとイチヤさんの一番大切なオンナノコになれない。鏡の国カガミスタンの城内なら王女のあたし絶対有利なはず、なんだけど。
「お前さ、パンツ穿いてるように見えないんだけど」
「だって穿いたら却って見えちゃうから」
心配してるイチヤさん。平常運行のレイミ先輩。あたしも穿いてないんですけど心配して。
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