第9話 だって象さん姿丸出し
「右脇見せてお友達左側からかめかおだしONして止まらずHARD ON」
あたしこと手鏡ミラ十九歳が頭を捻って作ったlyricを個人指導をお願いしている幸田先生のご自宅で披露。
「J-Rapには詳しくないんだけど、手鏡さん自分で言ってる意味分かってる?」
「あたしレベルだと語呂合わせで意味は無いです。でも、フルート吹くとき男の人があたしの右脇を注目してたことがあったから」
「ああ、そういう目で見る奴はいつの時代でもいるけどね。しかしそれに気を取られて演奏が乱れていてはプロになれない」
「はい、承知しています。先生のご指導の恩に報いるためにも」
「君のお父さんからも厳しく手加減無しの指導を依頼されてるから、今日も厳しくやるよ。ではフルートを出して吹いてみよう。課題曲の最初の十六小節から」
あたしが演奏を始めると幸田先生は私の右側に立ち、スラックスを下ろした。え、
なんでふんどし姿?
「リズムが乱れたね。もう一度」
「はいっ」
もう一度十六小節を吹く。先生、何か見えそうで怖い。泣きそう。
「小娘見てたら男立ち、見上げたもんだよ恩師のふんどし、小さな口に生で仲良し、触ってみればリアリティ」
あ、バトルを挑まれた。返せないともう指導してくれないかも。
「先生お願いチルアウト、先っぽ顔出しアウトです、押し付けられた中学時代、進入禁止トレスパス」
今こんなのしか思いつかない。幸田先生少しも動じず。
「生徒に手を付けいまだ現役、トロ赤貝をつまみ食い、キスとアイナメ釣り放題、舌で舐め上げ貝柱」
よく分からないから返せない。フルート抱えて床にひざつき、恩師を見上げて目が飛び出し、だって象さん姿丸出し。
「手鏡さん、見られているのは右脇だけじゃない。その唇の動きにも男は目を奪われてしまうんだ。私も歳だからクスリを飲んで男になっている」
「オクスリは反則です。でも、これが男の人の」
「彼氏で経験済みじゃないのかい?」
「まだキスしかしたことないです。そこから先は」
「なら勉強だ。触ってごらん」
幸田先生はあたしの右手を掴み、象さんの鼻を握らせた。
「匂いを嗅いでごらん」
鼻を象さんの鼻に近づける。別に匂わない。
「今日はこれまで。パンツを置いて帰りなさい」
ステレオタイプなセクハラパワハラ。仕方なく先生監視のもとパンツを脱ぎました。
「花柄だね。ありがとう」
今日は一日ノーパン。イチヤさん助けて。
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