第205話「魔導士学院の中で『鑑定』強行」

それからプッチィさんは慌てて受付の方に向かおうとするが、色々と忙しいムッチィさんに僕を任せようとしたので、折角だしこのタイミングで一度休憩を挟ませてもらう事にした。


 僕は本来のテイマーの説明をモンブランから受けたかった。


 そして仲間になっているスライムと水っ子のステータス問題をどうにかしたかった。



 一応二人には気を使わせないように、朝早い移動の為だと嘘を言っておく。


 冒険者なので、朝早い時間が……と察してくれた様ですぐに談話室兼食堂へ案内してくれた。


 当然クレームの多い貴族は後回しにされ僕は食堂へ案内される……多分以前から問題を起こしているのだろうそんな面倒な貴族など退学にして仕舞えば良いのにと思ったのだが、もしかしたら既に退学にしたので問題になったのかも?とも思った。


「此方が普段、生徒達が使っている談話室であり食堂でもあります。突き当たりに食堂の窓口がありますので、そこで注文ができます。生徒だけでなく護衛中やお付きの方も多く利用されてますのでどうぞ遠慮無くごゆっくり御寛ぎください。」



 僕はそう言われたのでバッグから『聖樹の苗木』を出す。


 プッチィは何でも気になるタイプなのだろう。


 探究心の塊である彼女はたしかに学者向きだが、今はクレーム貴族の対応に行った方がいいのでは無いだろうか?



「!?樹木ですか?何の木でしょうか?とても癒される感じがします。今まで余り見かけた感じのない木ですね?こう何と言うか失われた聖樹に………あ!?せ…………聖樹………の苗木!?」



「話によると聖樹はまだ各地にありますよ?単純に危険で行き辛いだけで信仰すれば良い事があると言いますよね?一番近いのは魔の森の中だとか……この間知り合った『香木の森』出身の冒険者も聖樹の話は知ってるぐらいですから。」



「あと、クレーム貴族を先に対処した方がいいと思います。」



 僕がそう言うと、冒険者は余り詮索されるのが嫌いだと思い出した様だ。


 しかし僕はそう言う意味で言ったわけでは無い、親切で面倒な貴族から先に解決した方がいいと言っただけだった。


 対応を間違えれば怒りの火に油を注ぐ事になるので、解決させた後にまた見に来れば良いのでは?と思ったのだ。


 そもそもモンブランは聖樹として皆にもっと敬って欲しかったはずだ。


 前に本人がそう言っていた。


 何か悲しそうな顔をしていたので僕は付け加えることにした。



「見たいならクレーム貴族を対処してその後に見に来れば良いですよ?クレーマーほっとくと後でもっと大変になるので『早く対処を!』って言う意味です。」



「クレーマー?成程!文句を言う人をクレーマーと言うのですね!流行りに疎いので知りませんでした!『クレーマーを追い返して』また来ますね!」


 プッチィさんとムッチィさんは『ふんす!』とやる気を込めて、追い返す気満々に受付に飛んでいった。


 どうやら変な方向にスイッチを入れてしまった様だ。


 僕はひとまず人から見えづらい角の席を選ぶ。



 僕はリュックからスライムを出して木製の机に載せる。


 連日のお肉食べ放題で『少し』太ったのか、助けた時のピンポン玉サイズから、少し大きくなって追っかけて来て現在は18〜20cmのハンドボールサイズだ。


 そしてモンブランを呼び出す。


 皆には見えないが、一応何かのために用心はしておこう。


 こんな所で呼び出して用心もないのだが……


「この間の続きね!なんとなくお出かけの雰囲気だったから察したわ!」


「教える前にまずは『自分の鑑定』したら?鉱山で色々あったんでしょ?水っ子に聞いたわ後ダンジョンでも。あなた出る前と出た後で差が出てて、結構存在の力が大きくなってるから強力な魔物と戦ったら鑑定した方がいいわよ?」



 言われるまで自分のレベルやステータスを忘れていた……仲間のステータスも今度調べないと……僕達はなるべく他の人に知られないほいがいいから。


 その自分の鑑定の前に一応確認しておく。



「さっきの人が言ってたけど聖樹って人前であまり表に出さない方がいいのかな?ある意味モンブランに何かあったら心配なんだけど…!?」


「なんで?前は山ほど生えてたよ?今は少なくなったけど、コレと言って隠す意味はないけどね?別見られても減るもんじゃないし!?信仰されると少し力が増すから嬉しいけどね!あの前に葉っぱあげた二人覚えてる?」


「ああ!輝きの旋風のローリィとエイミィ?二人がどうかしたの?」


「毎日私の葉っぱに祈ってるみたいでさ、彼女達気がつかないけど木の精霊が割と彼女達に悪戯してるのよね……夜中のうちに。だから今度会ったら言っておいて『木の精霊』がイタズラで二人の持ち物隠してるから喧嘩しないでって」


「やんちゃだな……木の精霊は」


「意外に気がつきそうなのに気が付かないから、いい遊び相手見たいよ?」



「じゃあ普通に人前に出しても良いのかな?」



「他人に苗を持っていかれなければね?貴方以外の人だと多分枯れちゃうから『貴方にお願いして』連れ出して貰ったから、他の人が持って歩いたら『やる気でぇねぇ話せないしー』ってなって枯れそうなのよね〜」



「話が優先なのか!」


「当然!!」



 僕はモンブランと笑いながらも、ちゃんと植樹する場所を探して僕が植え替えて面倒を見る約束をした。


 モンブランはその約束に『当然!』て言っていた……マイブーム的なヤツだろうか?



 そして一言気になることを言った。


「エクシアって精霊と交わったみたいだけど私見えるのかな?今度ファイアフォックス連れてってよ!」


「いいね!もしもエクシアさんがモンブランの事見えたら木の精霊みたいにイタズラでおどかせば?……エールどこかに隠すとか!?」


「いいねーやろう!やろう!」



 話しながらも僕は自分に『鑑定』をする。


◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇


※レベルup可能 条件:特定時間休息(8時間)


野口のぐち 洋ひろし (異世界の来訪者)


称号 倉庫番


冒険者ランク 銅級 グループ等級 1級


職業 学生  


LV.21(+5)


HP.175/275(初期25)(+150)


MP.225/325(初期30) (+175)


STR.19(+5)


ATK.35(19+100)


VIT.24(+5)


DEF.140(120+24)


INT.34(+8)


REG.45 (+7)


DEX.23 (+6)


AGI.32(DEX強化分で+23追加up) (+5)


LUK.68(+1)


武器、E初心者のナイフ(20)☞ フェムトのショートソード(100) (耐久100/100)(鍛造度190)

盾、 Eバックラー(沼バッファローの革張り)(20)

兜、 E沼バッファローの革張りヘルム(15)

鎧、 Eオークと沼バッファローの鞣革の胸当て(20)

   E異世界の服(物販限定商品 綿100%)(劣化2)(破損0)※特殊効果(テンションup10%)

籠手、E沼バッファローの革張り籠手(15)

靴、 Eホーンラビットの毛皮ブーツ 装備2(10)

外套、Eハイド・クローク (破損再生)24h修復 特殊収納 袖内側に暗器専用収納

対象死角5(s)不可視可能 (装備中に光の下にでた場合効果無効)


『特定装備スキル』

・フェムトのショートソード

 『特殊技』風切り  効果:防具破壊


 素早く剣を振ることで風を切り裂く様に相手を切断することができる。

 (対象の装備耐久値を0にする。)


アクセサリー(4)装備中


1、水精霊の上級祭壇(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)(ブレスレット)(20)


2、道具袋(小)(腰ベルトタイプ) (空)

    中級傷薬3(ミク・ユイナ印)

  +3高級傷薬が5(タバサ印)

  +3中級回復薬1(タバサ印)

  +2上級回復薬1(タバサ印)


3、パウロの目眩し引っ掛け鞄 (空)


4、異世界製リュック(不壊)

  道具袋(大)(片紐タイプ※折り畳み式)※リュック側面携帯中

  マジックバッグ(大) ※リュック側面携帯中


特殊効果


テンションup10%


『skill』


鑑定LV.4(個別鑑定:魔物LV3 アイテム:LV4 素材・部位LV3)

錬金術LV.5

空間感知LV.5(空間魔法VL2派生)

(空間確保)※鑑定LV不足により詳細開示不明


空間魔法LV.2(LV1掌握/LV2感知/LV3確保/LV4LV5LV6LV7LV8LV9)

精霊魔法LV.3 (習得属性:水属性・氷属性)


精霊の加護『聖樹』消費MP1/2

#########※鑑定LV不足

#########※鑑定LV不足


『習得魔法』


 生活魔法


ウォーターLV2(消費MP2) 術者レベルの量の水生成。※単位ガロン(英)


『水魔法』


水障壁 ※特殊取得条件にて取得可能


(消費MP5) 効果60(s) (魔法・物理攻撃無効)  使用制限:1日1回

     外回流接触時 ダメージ:10HP(s)※内部侵入不可


『習得精霊魔法』


『氷結魔法』


アイス(消費MP3)


アイスフィールド(異世界魔法) (消費MP10)


『水魔法』


ウォーター・スフィア (消費魔力MP8) ※周辺の水を使いサイズ変更可



ウォーター・バレット (異世界魔法)(消費MP3)※弾数5発毎消費

ウォーター・スピア  (異世界魔法)(消費MP5) ※消費魔力よってサイズ変更可(MP2毎倍サイズ)※最大3倍

ウォーター・ジャベリン(異世界魔法)(消費MP3)※本数3本MAX


水槍撃 (異世界魔法)(消費MP10)※消費1MPにつき1本水槍追加(最大10本)



『空間魔法』



掌握LV2(習得条件:空間魔法LV1)

空間認知LV2(習得条件:空間魔法LV2)パッシブ「不可視可能」

『未所持』空間確保(習得条件:空間魔法LV3)※条件を満たし開示


#########(######)


所持品

・異世界製リュック(不壊)

・マジックバッグ(大)


・罠外しの捻れた鍵(銀) ※Cランク箱開封罠解除可能

・捻じ曲がった罠外しの低級鍵 (※E・F宝箱の罠解除)


◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇



 正直魔導士学院内で『鑑定』を使うのは先程までどうかと思ったが……聖樹のモンブランに言われてうっかり使ってしまった。


 しかし随分とレベルが上がったがステータスの伸びはいまいちだ。


 カナミはあの様なスペックになるまでどれだけ苦労したのだろうか。


 うっかり使ったが大丈夫だっただろうか……魔法ではなく『スキル』なので何を言われても知らないふりをするしかない………

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