第206話「スライムの成長とステータス」
僕自身の鑑定をした所、なんとレベルが上がりきっていなかった……レベルが上がる条件があった。
どうやらしっかり休息をしないとレベルが上がらない様だ。
一度に上がるレベルは決まっているのかもしれない……
そこまで大量に経験を積めるのが正直異常でもある。
僕の場合はあの魔法がそうだ。
まさか家程ある魔物を貫けるとは思わなかったし、咄嗟とは言え当たる場所の運が良かったのだろう。
あの場合は経験値的にはどうなるのだろうか……経験を積めばいいのは分かるが、不明瞭過ぎるこのレベルシステム的な物は流石は異世界だと考えるしかない。
「モンブラン……調べたけどちゃんと休息をしないとレベルが全部上がりきってないみたいだ」
「オーバーステータス状態ね?珍しい事をしないとそうならないけど……まぁ昨日は珍しい事したよね……魔獣倒して階層守護兵と階層ボス倒して経験値山盛りだったんだもん……」
「なんで知ってるんだ?」
「え?水っ子だってば……装備して行ったじゃない?神殿……水っ子は鉱山で暴れる!って言ってでてったわよ?そしてからの〜ダンジョン。でー帰ってきてギルドって場所で話してたんでしょ?水があるから幾らでも聞き放題ヤリ放題じゃない?水っ子は?」
「ああ………成程水があれば良いんだもんな……情報は筒抜けか!そもそも鉱山に来てたしな……いっぱい信者を増やした様だよ?」
「無理すれば、水っ子なら水筒でも平気よ?空中に散布すれば化現できるし!?……私も信仰者沢山欲しいなぁ……」
そんな話をモンブランとしながら、僕はアープの待ち時間に『オーバーステータス』についても詳しく教えて貰う。
僕の鑑定をしたのは使役している対象の最大レベルを知るためで、今日であれば21まで最大で上げられる。
ちゃんと休息後なら26まではあげられるらしい。
僕のレベルに比例して魔物も同じレベルだ。
ただしちゃんと休息して経験を馴染ませる必要がある。
ゲームに様にすぐレベルが上がるわけではないらしく、レベルにより身体の作りが変化するためらしい。
自分の筋力が上がっても組織レベルが対応できなければ筋肉断裂なんて事があるのかもしれない……スポーツ選手の故障に近いのかもしれない。
ちなみに使役魔物へ経験値の7割は皆に入るらしいので、僕のレベルの7割程度のレベルになるかと思ったらそうではないらしい。
スライムと精霊の『必要な経験値』は同じではない。
一言でいえば魔物の格のようなものがあり、スライムはレベルが上がりやすく水っ子は上がりにくいのだ。
しかしはじめが上がりやすくても、途中から逆転する場合もあるらしい。
その大器晩成型や平均型、速度型などがあるらしく、そこに更に今度は個体差もあるらしい。
テイマーのレベルチェックも奥が深い。
そこで目の前で飴を消化している『スライム』を『鑑定』してみる。
◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇
上位種中級魔石3個溶解完了
溶解終了から24H以上経過中
属性取得可能(土、土、水)
スライム (小型種) 使役中 : ヒロ
第一次系統進化前個体
・ステータスには個体差、系統差あり
LV.10(+8)
『※上限レベル+3』魔石使用ボーナス
HP.60/60(+24) MP.55/55 (+40)
・攻撃力34 ・防御力34 ・判定値32
『基礎status』 『修正値status』
STR.12(+8)
ATK.22 (+8) ☞『STR12+ATK22』
VIT.12(+6)
DEF.22(+6) ☞『VIT12+DEF22』
INT.18 (+10)
REG.27(+3)
DEX.15(+9) ☞『DEX15+AGI17』
AGI.17(+8)
LUK.57 (+)
条件により使役可能
捕縛の魔物罠、使役強制スクロール、
従魔契約スクロール、使役の絆…etc
・必要条未達成により開示不可。
粘体を持ち、身体の中には核があり絶えず
核を動かし身を守る。
常に動かす核の中に魔石を持つ。
スライムの粘体は錬金素材として使える。
スライムの核を別素材(液状、ゲル状)に入
れる事で系統変化させ素材体積を増加させる
事ができる。
系統変化先 LV、経験値不足で鑑定不可。
稀に宝箱を落とす。(ダンジョン個体のみ)
◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇
ビックリしたことに、たった1日で判定内容に変化があった。
前のレベルアップは許可を出したのだが、もう既に10レベルになっていて、それに加えて伸び代が +8もある。
表記は魔石使用ボーナスになっている。
これは僕の鑑定レベルが上がったからだろう。
どんどんステータスの見栄えが変わっている。
もともとその強さがあったのは分かるが、パズルのピースが埋まっていく様で嬉しい限りだ。
攻撃力34……他のスライムよりは強いのかもしれない。
この子は癒し担当だ。
犬や猫並みに慣れると可愛い。
「なんか鉱山とダンジョンで経験値稼げたみたいだね?結構レベルが上がってるよ!スライム見たら……」
「取り敢えずこの間出来なかった属性取得やってみようか?せっかく手に入れたんだもんな〜お前〜えらいえらい!」
突っつくとくるくる転がり出して可愛らしい。
「じゃあ早速やってみよう!属性取得を許可するよ!」
試しに言うと急に震え出すスライム。
「ふるふるふるふる…………」
◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇
『取得』
属性攻撃
土系LV2 硬化
水系LV1 ウォーター
属性防御
土系⭐︎⭐︎(20%軽減)
水系⭐︎ (10%軽減)
◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇
鑑定もしていないのに頭に文字が浮かぶ………
「あ!許可したの?何か覚えたでしょ?その状態でレベルをわざと上げずに経験値だけをその覚えたものに注ぎ込むと魔物のレベルじゃなくてスキルのレベルが上げられるのよ。」
「更にレベルがヒロのレベルまで達してれば新しいスキルも選べるのよー」
「すごいねこれ攻撃は増えるし、防御も強くなるね属性からの……」
「レベルもステータスも折角だから上げちゃおう!勿体無いもんね何もしないと……」
「ふるふるふるふるふるふるふるふる………………」
ふるふるが止まるとコロコロ動き出したので『鑑定』をすると、見事にレベルも18になりステータスも上がっていた。
いつもよりご機嫌に転がっている気がする……親バカだろうか……
「ヒロお兄様〜!あっ!バックから出したんですか?スライム!可愛い〜」
突然後ろから声をかけられビックリすると、授業が終わったらしく談話室である食堂に移動してきた様だった。
お友達と一緒に来た様で、スライムを見て少し後ずさっている。
しかし、アープがくりくり弄るとスライムはアープの事を覚えているのか遊ぶ様にコロコロ転がっていた。
「もう終わったの?早くない?」
「はい!次は演習です。運動場の片隅にある御池で練習なのです。一緒に来てアープの授業見てください!」
アープと話していると遠くから睨まれている気がする。
銀髪の男の子がなぜか睨んでくるのが見える……アープを馬鹿にする腐敗貴族共の倅だろうか?
親が親なら子も子だな……と思ったらさっきプッチィとムッチィが言っていたあのクレーマー貴族を思い出した。
もしかするとその貴族の子供かもしれない。
何かトラブルがあったのは鉱山絡みで伯爵と男爵が関わっていたので、それの件が濃厚じゃないかと予想を立てる。
こんな場合は気をつけないと……なんせ次は『演出』だから………
僕はアープが彼を見ない様に背を向けて椅子に座らせる。
態々嫌な思いをさせることはない。
スライムと遊んでいるのだから共達と休憩タイムを満喫させねば。
せっかく友達もおっかなびっくりスライムに慣れ始めたのだから……
「勉強で頭使ったでしょ?大丈夫?疲れてない?」
「ヒロ様の言う通り、今日は魔法の唱え方を何度も何度も頭で描いたので疲れました!でも何時もヒロ様はあれをやりながら魔法を唱えるんですよね?」
「うん!?多分無意識にやってることが多いですね。アープちゃんも慣れると考えなくてもできる様になったこととかあるでしょう?」
「疲れた時には甘い物が頭の疲れや身体のを取るんだよ!はい飴をどうぞ!」
「やった〜飴ちゃんだー!」
「はーー大好きな『リンゴ』っていう味だー!」
僕はそう言いながらクロークに手を突っ込んで飴を数個取り出してアープから渡す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。