第37話「お宝発見で猪突猛進!?聴く耳?今から耳掃除してきます!」
半ベソかきながら、3組のパーティーは宝箱を貰っていた。
そして僕が貰った宝箱は、異世界組で分ける事にしたが…何故か皆「闘いに参加してないのに貰えない。」って突っぱねて来た。
しかし中身が気になるのか皆ソワソワしてた…とりあえずあければ気が変わるだろう。
もう皆に渡したのだから平気だと思ったが、この場にいる異世界の冒険者全員が僕を見ている。
エクシアが小声で、1番最初に戦ってた奴が最初に箱開けるのがマナーだよ。
って教えてくれた…それもさっき一緒に教えてよ!とか思ったのは内緒だ。
僕は宝箱に手をかけて開けると中身は
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金貨袋(400枚) 1袋
中級回復ポーション 3
高級回復ポーション 1
+4マン・ゴーシュ 1
+4ナイトシールド 1
+3ローブ 2
水精霊の下級祭壇アンクレット 2
水精霊の上級祭壇リング 1
フラウの幸運のバックラー 1
フラウのサモナーリング 1
アナベルのロングソード 1
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一応見ながら皆には聞こえないように鑑定をかけるが、宝箱の名前とは裏腹に全く穢れた要素がなかった。
異世界組の3人としては初めての宝箱にドキドキが堪らないらしく覗き込む様に見ていた。
そして、他の3組のパーティーもA+の宝箱の中身が気になっていたようで、遠巻きに見ていたので手招きして見せてあげた。
「あの服って凄い可愛いデザイン!アンクレットかなぁ?あれって…あの水の流れるデザインの指輪も可愛い!」
「あのアンクレットは今着てる服に合わせるのは難しいなぁ〜」
「でもあの服には合いそうじゃ無いですか?わたし的にはあの鳥が重なってる指輪が可愛いです〜」
「そうね!どっちもセットなら可愛くなりそう!」
「俺的にはこの盾がいいな!カッコいいし!ロズに盾の使い方教わったし…多分使いこなせると思うんだよ。」
「この服は調べた結果ローブらしいですよ。+3で普通より強いみたいだし。」
「この盾はナイトシールドって言うらしくて、+4の修正ついているみたいですよ。」
覗き込んでいた、結菜と美香はローブを見るなり更にソワソワしだす…さっき貰えないと言ったあまり今更欲しいとは言い出しづらいのだろう。
正直ワンピースみたいなローブを僕は着ようとは思わない。…ゲオルさんには悪いが…某魔法使いの映画の様には。
宝箱からアンクレットとローブを出して二人に、そして上級祭壇の指輪を結菜に、フラウのサモナーリングを美香にそれぞれ渡す。
そして盾と+4マン・ゴーシュをそうまに分ける…メイン武器の他に盾を扱うので小回りが効きそうな予備の武器があったら便利だろうと思った…護身用にも長さ的にも大きさがちょうど良いはず。
本当はアナベルのロングソードもそうまに渡そうと思ったのだが、名前に問題があったので念の為に辞めておいた。
どうしても某人形が思い浮かんでしまった事を説明すると逆に嫌がっていた。
どうやら怖い系の物語が嫌いらしい。
美香に渡したフラウのサモナーリングは、特定の生物をサモンすることができる様で、その指輪のデザインの生き物を従えることができる様だ。
因みに鳥の連なっているデザインなので鳥類がサモン可能らしい。
そのことを伝えると喜んでいた、アンクレットと指輪の精霊祭壇の使い方も簡潔に説明したが、詳しくは宿屋でと言ってある。
僕自身これからの経験なので実際見て貰った方がいいと思った。
僕が其れ等を渡すと、今受け取ったにもかかわらず3人揃ってまたしも「やっぱり、闘っていないのに貰えない。」と言って来たので…
「3人共さっきの敵を見てどう思いました?ヤバかったですよね?僕は皆が来る前に1Fのジャイアント・アサシン・フロッグとネームドモンスターのフォーモリアと、2Fのアクア・スライムと闘って来たんですが本当に死ぬかと思いました。」
「その度にアイテム手に入れて、即装備して死なない努力をしたんです。言葉では身は守れないですよ。だから貰って装備してください。」
「僕達の目的は家に帰ることです。生きて帰らないと家族が悲しむじゃ無いですか?だから無事に生きて帰ることだけ考えましょう。」
そう言った瞬間しまった!と思ったのだけれども…3組のパーティーはえらく勘違いして
「流石!ファイアフォックスのメンバー!すばらしいです〜生きて帰ることが大事!家族あっての冒険ですよね?流石です〜。わたしもっと精進して!もっと良い薬作って!皆を無事に家に返せる様にします!」
レッドアイズの薬師の女の子が泣きそうな顔で相槌を打つ。
「すげぇっす!闘いに勝つことでも、如何に早く倒す事でもなく!無事に家に帰る事!その通りっす!基本を自分忘れてました!これからもっと気をつけます!毎日無事に家に帰って、コイツらと毎日うまいエール飲みます!」
スノーベアーの戦士の男の子が感化された様だが…多分同い年位だ。
「そうね!わたしも忘れてたわ…より安全に家に返せる様にしなくっちゃ!回復師は多くのパーティーに必要とされていて…ちょっと最近天狗になってたわ!皆にもちゃんと家族がいる!街には友人もいる!自分だけが!じゃダメなのよね!エクシアさんが居るような名の通ったギルドなら安全に冒険できるとか間違えた考えだったわ。あなたの闘い方見て勉強になった!ありがとう!」
アイアンタンクの回復師の女性は影響されやすい性格のようで、僕の手を取って真っ直ぐに僕の目を見て恥ずかしかった。
3人の率直な言葉を聞いた異世界組3人は、貰った装備を大事そうに抱え直して僕にお礼を言って来たので若干恥ずかしかった。
皆で無事に元の世界に帰れれば、その時は懐かしい思い出になって笑って飯でも食えるのでは無いかという気になった。
その後僕は金貨袋から100枚抜いて、残りの袋を3人で山分けしてくれと渡したら、周りの冒険者はびっくりした顔で僕を見ていた。
そして接近戦になりそうなソウマに高級ポーションを渡し、中級ポーション二個を結菜と美香に残りの1個を僕は自分のクロークにしまう。
僕の収穫はアナベルのロングソードとフラウの幸運のバックラー、そして金貨100枚と中級ポーションだ。
因みに僕らが宝物の山分けを終わった後、皆が貰い辛そうにしていたので僕は見本とばかりに残りの物もそそくさとクロークの内側にしまう。
「ほう!次元収納付きの珍しいクロークだね!やけに時間がかかると思ったらそんな激レア物手に入れてたのかい!遅くもなるわけだ」
言い訳しながらも、手にれたときの話をエクシアに掻い摘んで話しながら周りを見ると…
他のパーティーも宝箱を開けるが決して手に触らずに眺めていた、魔法使いやらアイテム知識がある冒険者が懸命に箱を覗き込んだり、鑑定のスクロールを探して荷物をゴソゴソしている。
皆、鑑定スキルがないので宝箱が手に入っても、呪いの類を調べるのだけで大変そうだ。
それを見て僕は大変そうだなぁ手伝ってあげた方が…とか思っていたら、精霊二人に教えて貰った鑑定レベルのことを思い出した。
鑑定すればする程、レベルへの跳ね返りがあるのだ、この箱5個分はかなりデカい…ファイアフォックスの箱はコッソリお願いされているのだが、僕はエクシアに精霊から聴いた鑑定レベルの上げ方をコッソリ小声で話す。
エクシアは徐に…
「ヒロは呪いのアイテムを嗅ぎ分ける能力があるんだ、鑑定とは異なる能力だが私達のアイテムは全部彼に頼んでる。」
「呪いが無ければアイテムの能力については街に帰ってからでも安く鑑定できるから頼むなら今のうちだよ。」
そう言うと、いの一番にアイアンタンクの回復師の女性が駆け寄って来て手握りながらお願いされた…ぶっちゃけ周りの目が困るので普通にお願いして欲しかった。
アイアンタンクの宝物の中身は…
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金貨袋(250枚) 1袋
+3フルプレートアーマー 1
+5タワーシールド 1
+3ジャイアントモール 1
メルルのびっくり鞄 1
風のスカーフ 1
鈴なりの癒しの指輪 1
ペイン・ブレード(呪) 1
中級ポーション 3
初級ポーション 2
フィアー・リング 1
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僕らの宝箱より1個多かった、ゆっくり後で鑑定など出来ないので手早く一つずつ鑑定して経験値を積む。
しかし、一つ(呪)と書いているアイテムがあったので手には取らず、詳しく鑑定するために頭に鑑定用紙をイメージして再度鑑定してみると…。
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ペイン・ブレード
(呪われた装備)
マジック・ウェポン
攻撃力(100)
対象にダメージを与える度に
対象の精神を削る。
10回切り傷をつけられた対象
は発狂する。
装備者は仲間と敵の区別がつ
かなくなる。
特殊能力
狂乱・憎悪を使用者に付加する。
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ヤバい事この上なかった…仲間と敵の区別がつかない上に狂乱・憎悪の時点で悪い効果しかない気がする…その上呪われている。
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