第28話「精霊についてのお勉強」
そして水の精霊は僕が鑑定して回っている間に、モンブランにお説教を食らっていた様で、全てが終わった時点で素直に謝って来たので魔法の件は不問とした。
僕は今回散らばったアイテムの中に気になったアイテムがあったので鑑定してみるとモンブランが前に言っていた名前のマジックアイテムだった。
水精霊の祭壇とは違うが、もしかしたらこれでも大丈夫かもしれないので聞いて見ることにした。
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中級精霊の腕輪(⭐︎⭐︎⭐︎)
(バングル)
マジックアイテム
防御(10)
マジックアイテム
特殊効果
精霊契約(全属性)
中級・下級精霊と契約可能
精霊と契約を交わす時に必須
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「こんなものが手に入ったんだけど、さっきのブレスレットと同じような効果と思っていいのかな?」
「「見せてー!見せてー」」
残念精霊二人は見事に声が被っていた…
「おーーーー!水限定じゃ無いけど!これで全然平気だよー!上級精霊と契約ができた場合、水っ娘がこっちからも出られるよ〜」
「壊れなくて良かった〜〜〜!本当にごめんなさい〜」
モンブランのお墨付きを貰ったので間違いは無さそうだが、先程魔法をぶち込んだだけに…水の精霊は更にバツが悪そうだった。
まぁ気持ちはわかるので今後しないでね!と優しく言っておいた。
流石に強い魔物が襲ってきたら僕では勝てない可能性しかない。
水の精霊との契約は宿屋に戻った後にゆっくりやる事になった。
理由は同じ世界から来た3人にも一度見せた方が良いと思ったからで、その事を水の精霊とモンブランに伝えたところ、別にどこでも構わないと適当な返事だった。
ついでに同じアイテムの類を探した場合、他の人も契約出来るのか?っと聴いてみたら精霊一体につき、契約対象は一人だった。
しかし、属性毎の契約精霊の数に制限は無いとの事だった。
同種中級3体など同時契約でも問題はないらしい。
そんな数の同種の精霊が必要か?と聴いたところ、過去に精霊魔術を行使する冒険者が、サラマンダー三匹を同時に扱い人間には禁呪とされる魔法を使っていたそうだ。
因みに、禁呪など危険極まりない名前はスルーした。
精霊一体について1人と言う契約者の問題について質問したら、理由は同時に呼ばれても行けないから…だと言う単純明快な回答で、異世界から来た3人は別の精霊を見つけるしか方法がない。
そもそも僕が誰かに契約を譲っても、水の中級精霊は誰とでも契約する訳では無い!と、他の契約者は100%有り得ないと突っぱねられてしまった。
精霊には、契約者に対する思い入れと遊び心が重要のようだ。
契約するにはそもそも相性が重要らしく、対象が面白く精霊が気に入った場合や冒険者側にその精霊種に揺るがない信仰がないと精霊は契約をしないとの事。
僕には分からない…人となり等を見ているのだろう。
契約の関係で複数人しないのは、その約束を守れない状態は精霊として不味いらしい。
信仰こそが精霊の力の源らしく、万が一にも契約者の元へ行けない状況が不信を買うからだと言う事だ。
契約は階級別にアイテムが必要でそれ自体は最低1個あれば済むらしいが、精霊と複数契約したのにアイテムが1個しか無い場合は、化現出来る出入口がひとつしか無いので1体しか出られないとの事。
なので、僕の場合バングルとブレスレットの両方から最大2精霊を呼ぶ事ができて、同じ階級の精霊を2体召喚した場合どちらの門で化現するかは精霊側が選ぶらしい。
僕の場合は水属性は最高で上級種の精霊を、他の属性であれば中級種までが呼べるらしく、ほかに精霊契約のマジックアイテムが増えればその都度、種族と階級をそのアイテムの種類にそって増やせるらしい。
ただし、それらの精霊と契約できればの話らしいが…。
精霊は必要に応じて呼べるが、階級上位のアイテムから中級や下級精霊を出した場合、精霊殿に返した後は約12時間程はその門を使えないらしい。
理由は召喚時にあり、精霊の園にある精霊殿にある門とマジックアイテムの門を繋ぐ時に負荷が掛かり、負荷に耐えられなくなると門として使用出来なくなる時間が出来るらしい。
無理して使うことも出来るが、最悪の場合大半が門として使用するアイテム自体が壊れて使い物にならなくなるらしい。
なので、アイテムの連続使用は1日最大で2精霊と言うことになる。
精霊が使う力の行使により、マジックアイテムにかかる負荷が異なるので精霊を再度呼べる時間に若干差ができるらしく、明確に言うと完全に1日2回呼べる訳でも無いらしい。
門の使用とは別になるが、破損の原因は他にもあるらしい。
精霊が行使する精霊としての力が強ければ強い程、マジックアイテムに掛かる負荷が強くなり破損する確率が高まるらしい。
精霊は自身の持つ力を精霊殿から増強する事ができるらしく、それをした時に高確率で破壊されるらしく、マジックアイテムが壊れる時は送還時に破壊されるらしい。
この力は召喚者が求める事はできず、精霊の自らの意思で行う手段でこちらに化現出来なくなる代償の様だ。
その話はそれ程までして、契約者を護る最後の手段のように聴こえた。
因みに、精霊は無事に精霊の園には帰れるので、こっちに残されることは無いとの事だった。
急に使う事になった精霊の取説は…覚える事が多くて大変だ。
巨大蝙蝠がいた場所の空間感知を行なった後、目的のアイテムは手に入れたので、一度外に出る事を提案したが精霊の二人は武闘派の様で二階層に降りたがっていた。
そんなやり取りの中、耳を疑う内容を水の精霊は話し始めた。
「地下三階の最下層まで行かないと!そこに上級精霊のおねぇ様が居るから外に出る許可を貰わないと!」
「それに、このダンジョンのダンジョンコアを封印する私の代わりの中級精霊も一人必要だしね!」
モンブランが呆れた目で水の精霊を問いただし始めた。
「いやいや!ちょい待ち!上級精霊がこのダンジョンにいるの?今までの私とのやり取りなんだったのよ!」
「そもそもダンジョンコアを封印中って!水っ子ここにいちゃダメじゃない!」
「もしかして、外に出たいから黙ってたって訳?」
「違うよー!オネェ様がここのダンジョンがこれ以上深化するのを防いでいるの!私達中級精霊でそれを補佐してるのよー。だから私が抜けたらその分増やさないといけないでしょ?」
「いやいや!上級精霊が居るなら、契約して貰って必要な時だけ力借りれば済むじゃない?」
「モンブランさんちょっと待って下さいください。そもそも契約にはそれなりの条件があるので無理かもしれませんし、そもそもそんなに簡単に力を貸せるんですか?ここ封印してるんですよね?その上級精霊さん。」
「ダンジョンコアって言ってましたけど、それ封印するのに中級精霊も力を貸すのに、僕に一時的とは言え力貸せるほど余裕があるとも思えませんし。」
「オネェ様はそんなヤワじゃないわよ!人間の一人や二人余裕に決まってるじゃない!」
こんな感じに折角のフォローを全く無駄にする水の精霊さん…ヤワじゃないならいっその事その上級精霊に契約して貰ったほうが助かるんだけど…そもそも1精霊1契約だったんじゃないですか?と言いそうになったが言葉を飲み込んだ。
僕らは話し合った結果、結局最下層に行かない事には水の中級精霊にも力が借りれない事に行き着いたので、僕は渋々最下層まで行く事を決心した。
出来れば、ファイアフォックスのメンバーにもついて来て欲しかったが、穢れを発する人間を多くダンジョンコアまで連れて行く事で、封印しているコアに新たな問題が起こりかねないと言うのがモンブランの考えで、確かにその通りじゃないかと思った。
万が一の事が起きれば、水の精霊の力を借りれ無くなるかもしれないので、それは仕方がない事だと諦めるしかない。
僕がそこまで行く事は平気なのか?という事は、聖樹の加護で人間一人の穢れなら抑え込める様だ。
因みに、最下層までのその行程で魔物を倒し少しでも戦闘感を養いつつ、地下三階の階層主の部屋まで僕は行くことになったのは心底怖いが諦めるしかない。
水の精霊の話しではこのダンジョンには、スライム、巨大蛙、巨大亀など水棲生物が多く居るとのこと、その他に洞窟に適した大蝙蝠などの魔物がいる様だ。
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==登場人物・用語集==
『精霊』
モンブラン(性別不明) (聖樹の精霊)
水っ娘ノーネーム(水の精霊)
『ギルド』
ギルド・ファイアフォックス ギルド等級 銀3級
紅蓮のエクシア R「ギルドマスター」♀ (銀級2位)
ロズ(戦士・タンク)♂銅級3
ベン(戦士)♂銅級3
ベロニカ(弓使い)♀銀級3
ゲオル(魔法使い)♂銀級3
ザッハ「サブマスター」♂
リープ(事務員)♀
フィーナ(販売員)♀
ゴップ(解体担当)♂
マッコリーニ商団
パーム(妻)♀(店長)
レイカ♀(娘)
ハンス(執事)
御付き1♀
御付き2♀
売り子A♀
売り子B♀
売り子C♂
売り子D♂
水精霊の洞窟村
レン爺 (村長)♂
バフゥ (武器屋の親父)♂
飯屋の女将 ムイムイ♀
飯屋の料理人 ドムドン♂
飯屋の娘 メイメイ♀
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