5時間待ち

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の……ゴフッ」

「亀が倒れた!?」

「いや、失礼……。わたくし持病がありまして、本日は通院日だったのです」

「そうか、持病で体調が悪いのか」

「いいえ。持病そのものは軽症ですが、病院がはちゃめちゃに混雑しており、5時間待ちしたことが体調悪化の原因かと思われます」

「5時間……だと?」

「ディズニーランドでもそうそう見ない待ち時間です。新幹線で東京から函館まで行けちゃいますね」

「そう思うとすごい時間だな」

「これでは予約していたクリスマスケーキが受け取れません。病院が終わったのは19時で、ケーキ屋が閉まるのは20時。なお病院から地元のケーキ屋までは1時間」

「ギリギリ行ける……か?」

「そう思って駅へ走ったら、踏切故障で電車が大幅に遅延しておりました」

「タイミング悪すぎ」

「泣く泣く乗りましたけど、このままでは間に合わないことが確実で、わたくしのテンションは限界値まで下がりました。クリスマスイブに病院で5時間待ちをし、難病の宣告を受けた挙げ句、前払いしたケーキが受け取れないなんて」

「それで結局、どうしたんだ?」

「途中で電車を降りてタクシーに乗りました」

「ケーキは受け取れたのか?」

「はい」

「そりゃ良かったな」

「今冷静に考えたら、ケーキ代よりタクシー代の方が高いですけどね……。あ、ちなみに、ケーキを食べつつツイッターを開いたら、カクヨムコンのキャンペーンの当選DMが届いておりました」

「賞品は?」

「500円のAmazonギフトコード」

「クリスマスプレゼントだな!」

「そうですね。人生悪いこともたくさんありますが、良いこともあるのだと改めて実感しました。というわけで、皆様も素敵なクリスマスをお過ごしください」

「そうだな。とりあえず、お前はもう休め」

「はい。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る