コンビ名

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。そういえば、毎日コントをしているのに、我々にはまだコンビ名がありません。浦島殿、何かいい案はありますか? ちなみに、わたくしがネーミング大賞だと思うのは、『インカの目覚め』という名前のジャガイモです」

「中二感がすごいよな」

「ジャガイモとは思えませんよね。わたくしが野菜売場の店員だったら『これより我は秘められしインカの封印を解かん!』って言いながらダンボール開けます」

「ただの不審者だが気持ちはわかる」

「買う時はこうです。『ククク、面白い。インカの覚醒とやらを夕食に味わってやろうじゃないか』」

「なんでジャガイモ買うだけなのに悪人口調なんだよ」

「ネーミングパワーってやつですね。名前はそれだけ重要なのです」

「で、俺たちのコンビ名はどうするよ?」

「せっかくなので『亀と浦島の目覚め』にしませんか?」

「長すぎて語感がイマイチだな」

「ダメですか? それでは『亀と浦島の目覚め ~モーニングティーを添えて~』は?」

「長いと言ったのに、さらに長くしてどうする」

「最近は説明過剰な長文タイトルが受けると聞きまして」

「俺は、シンプルな4文字タイトルの方が好きだけど」

「それなら『かめうら!』にしましょうか」

「続編で!が増える系のタイトルだな」

「ただ、かめうらでは、恋愛講座だってことが伝わりませんよね」

「いいんじゃないか? 実際これ、ちっとも恋愛講座じゃないし」

「悪質な言いがかりですねぇ。役立つ離婚の情報がこんなに満載なのに」

「それは満載しなくていいよ」

「以上、『亀と浦島の目覚め ~カップ1杯のモーニングコーヒーはささやかな幸福の味~』でした」

「しれっとさらに伸ばすんじゃない」

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