ポイ捨て

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。浦島殿は、シンガポールにどんなイメージをお持ちですか?」

「なんとなく清潔な国ってイメージだよな。そういえば、ゴミをポイ捨てすると罰金って話は本当なのか?」

「本当です」

「いくら?」

「最高で1,000シンガポールドル、日本円で80,000円ほどです」

「結構な金額だな」

「確かに、80,000円稼ぐ労力を考えると、1回のポイ捨てでそれだけ取られるのは大きいですよね。他にも外でツバを吐いたり、タバコの吸い殻を捨てたりすると、漏れなく罰金ですからご注意をば」

「でもそれ、いつどうやって徴収するんだ?」

「私服パトロール隊が見回りしてるんですよ」

「徹底的だな」

「筆者がシンガポールで働いていた際、同僚がタバコの吸い殻をうっかり捨てて、パトロール隊に声をかけられたんです。彼は『オレ知らない』と言い張ったんですが、そしたら捨てる瞬間の証拠動画を見せられたので、謝って罰金を払ったそうですよ」

「ひええ」

「ただまあ、ポイ捨てしなければ何も恐れる心配はないですし、その成果で街が常に美しいのは良いことだと思います」

「確かにそうだな」

「ついでに、夫による妻のポイ捨ても禁止して欲しい。ゴゴゴ……!」

「唐突な怨念」

「あと、言い忘れておりましたが、わたくしも浦島殿の受講態度を常に録画しておりますぞ。後でまとめて確認して、この講座への悪口1回につき80,000円払ってもらう予定ですのでよろしくどうぞ」

「受講料より罰金の方が高いじゃないか!」

「ほっほっほ、最初からそうやって儲けるシステムですよ。以上、『亀と浦島の目覚め ~ウィークエンドはちょっぴりお寝坊~』でした」

「そのネタまだ引っ張るのか」

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