いい夫婦の日
「どうも、浦島太郎です」
「わたくしは講師の亀でございます。本日はいい夫婦の日ですね」
「独身の俺達には関係ない日だな」
「というか、この季節って意外とカップルイベント多くありません? トリックオアトリートするカップル、ポッキーゲームでイチャつくカップル、いい夫婦の日に結婚するカップル」
「言われてみれば、確かに」
「しかも来月には、例の真打ちが控えております」
「クリスマ……」
「お待ちを! 口にしてはなりません!」
「何でだよ」
「その単語を耳にすると、リア充への嫉妬と憎しみで、わたくしの精神汚染が進行します。しかも今年のイブは金曜日」
「デートにはもってこい、だな」
「一応聞きますが、浦島殿のご予定は?」
「特にないけど」
「本当ですね? 隠れて彼女と会ったりしませんね? ビデオ通話かけたら絶対に出てくださいね? もし出なかったらGPSで居場所を調べますね?」
「ストーカーかよ」
「非モテ同士の牽制ってやつです。見苦しいと笑ってください」
「まあ、気持ちはわかるよ。友達に彼女ができたら嬉しいけどショックだよな」
「え、別に嬉しくないですけど……」
「そこは嘘でも祝福してやれ」
「わたくし正直者ですので嘘は無理。ですが、クリスマスを乗り越えても、その後ろに裏ボスのバレンタインが控えております」
「つらい日だよな、本当に」
「わたくしは、自分で買ったチョコレートの写真をアップして、『こういうの困るんですよねぇ』と呟く予定です。是非いいねしてくださいね」
「寂しすぎか」
「ご安心を。浦島殿の分も用意するので一緒にやりましょう」
「やらねえよ。っていうか、正直者だから嘘は無理なんだろ?」
「何が困るかは言ってないから嘘つきじゃないです。皆様は、こんな性格の悪い非モテにならないよう、この講座でしっかり学習してくださいね。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」
「結局いい夫婦の話題なしか……」
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