高額紙幣廃止
「どうも、浦島太郎です」
「わたくしは講師の亀でございます。先日ネット銀行の口座を開設しましたが、他にも1つ気になる銀行があるんですよね」
「また口座を作るのか? そんなに増やしたら管理できないだろ」
「大丈夫です。全口座の動きを、毎日チェックしておりますので」
「細かいな」
「はい。この細かさを何故恋愛で発揮できないのでしょうか?」
「自分で言うな」
「ただまあ、預金は基本的に元本割れしないので、ある程度放っておいても平気でしょう。いざとなったらペイオフがありますからね」
「ペイオフって、実際に適用されたことはあるのか?」
「制度が始まったのは1971年ですが、2010年に1度だけございますな。ただまあ、50年に1度ですから、日本の銀行は安全と言えるのでは」
「まあ確かに」
「銀行の破綻ではないですが、インドの旅行エッセイを読んでいると、必ずと言っていいほど2016年の高額紙幣廃止の件が出てきます」
「何だそれ?」
「当時の首相がテレビ演説で『今から4時間後に500ルピー(約800円)と1,000ルピー(約1,600円)の紙幣が使えなくなります!』と宣言した事件ですね」
「マジか」
「マジです」
「インドすげえな」
「一応、旧紙幣を銀行口座へ入金することはできたので、一晩でまったくの紙クズになったわけではないですが、銀行に人が殺到してATMが使えない状態が何週間も続いたそうです」
「そりゃ混乱もするだろう……」
「わたくし『今から4時間後に5,000円札と10,000円札を廃止します!』なんて言われたら卒倒してしまいます。実際、当時のインドでは自殺者も出たそうです」
「気の毒に……」
「などと紹介しましたが、インドを非難する意図はありません。手元に大金があると危険だから、銀行に預けた方が安心かもね、と言いたかったわけでして」
「わかった、俺も気を付けるよ」
「そうしてください。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」
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