2021年8月の講義

合コン必勝法

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。先日、偵察がてら他の恋愛講座に参加し、合コン必勝法について聞いてきました」

「おっ、いいな。教えてくれよ!」

「まず自分が幹事になります」

「それで?」

「自分だけがモテるよう、わざと外見がイマイチな友達ばかり集めます。結果、あなたは合コンの勝者です」

「え、それ本当に友達なのか……?」

「怖いですよね、引き立て役として利用するなんて。しかも、呼んだら来てくれるってことは、普段はその事実を隠して普通に友達やってるわけでしょう? わたくし、人間不信になりそうです」

「いや、お前もブラックさではいい勝負だと思うが……」

「心外ですね。わたくしは常にモテない者の味方。というわけで、引き立て役として合コンに呼ばれた場合、どう振る舞うのが正解か考えてみました」

「幹事が狙った異性を横取りする……とか?」

「でもそれ、恨まれるだけでしょう? 後々もっとひどい仕打ちを受けるのでは?」

「確かに」

「わたくしの答えはこうです。まずメニューを見ます。その店で一番高いお酒を頼みます」

「ああ」

「口に合えば、そのお酒を飲み続けます。料理もたくさん食べます。途中、カラアゲに勝手にレモンをかけて周囲のヒンシュクを買います」

「勝手にかけるのはダメだろ」

「わざとですよ。これで、カラアゲはわたくしが独り占め……!」

「ニヤリとするな」

「ともかく、こちらが酒と料理に集中すれば、幹事のラブハントを邪魔しませんし、割り勘的な意味で勝者になれるでしょう? まさにウィンウィンの関係ですね!」

「しかし、ずっと黙って食うわけにもいかないだろ? 急に話題振られたらどうすんだ?」

「話題? 適当に離婚の雑学でも披露すれば良いのでは?」

「やはりお前はブラックだよ。その幹事とは別ベクトルにな」

「以上、亀と浦島の恋愛講座でした。皆様も友達は大切にしましょうね」

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