白無垢

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。結婚式は一生に一度の晴れ舞台。ですが当日はバタバタしており、お客様も入っているので、ゆっくり撮影することができません。そこで最近は、式本番に先駆けて、アルバムに収録する写真を前撮りするのが一般的になりつつあります」

「ああ」

「筆者は式本番がドレスだったので、前撮りでは白無垢を着ましたが、衣装が重すぎて貧血になりました」

「あれ、重い重いって聞くけど、本当にそんなに重いのか?」

「重いです。白無垢を身につける際は、文金高島田という日本髪を結うのですが、カツラとかんざし、それに綿帽子を含めると、頭に載せるアイテムだけで1kgにもなります」

「1kgっていうと……」

「果物なら標準サイズのパイナップルですね。パイナップル1個を頭に載せていると考えてください。首の負担たるや……」

「服も重いんだよな?」

「5kgほどです。パイナップル5個を両手に抱えている状態です」

「それは……大変だな……」

「その状態で、2時間立ちっぱなしで、カメラに笑顔を向け続けるのです。拷問かと思いましたね」

「パイナップル6個だもんな。けど、ドレスもドレスで大変なんだろう?」

「意外とそうでもないですよ。ウェディングドレスは3kgくらいですし、身体を締める位置が胸の下……アンダーバストの骨の高さなので、見た目の印象ほど苦しくないです。和装の10倍ラクですね」

「そうなのか。着てみないとわからないもんだな」

「そんなわけで、筆者の結婚アルバムには、貧血で倒れそうな写真ばかり掲載されております。唯一の救いは、離婚して追い出された時、アルバムもそのまま置いてきたので、今後一生見なくていいということですね」

「なんか……お疲れ様……」

「そんなわけで、これから白無垢を着る花嫁様には、全身のトレーニング(特に首)をオススメします。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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