パーソナルスペース
「どうも、浦島太郎です」
「わたくしは講師の亀でございます。わたくしと浦島殿は、こうして横並びに立って漫才をしているわけですが……」
「待てよ。俺とお前は、対面で授業受けてる設定だろ?」
「ふむ、どうやら脳内映像が異なっていたようですな。ところで、対面と横並びでは、パーソナルスペースが異なると言われております」
「どう違うんだ?」
「男性は視覚情報を重視しますので、本人の前方にパーソナルスペースが広がっております。逆に、横や後ろはあまり気にしません。一方女性のパーソナルスペースは、正円形に広がっているそうです」
「つまり?」
「女性側はそこまで相手に近寄ったつもりはないのに、男性側は近いと感じ、落ち着かない気分になる……なんてことが起こります。あるいは、誘われていると誤解する場合も。こんな事態を避けるため、あまり親しくない男性には、正面から近付かない方がいいでしょう」
「なるほど」
「逆に意中の男性には、横から近付くと警戒されずに済むかもしれません。浦島殿も経験ありませんか? 異性と食事する際、対面だと落ち着かないけど、横並びだと何故か話しやすいっていう」
「あー、あるある。あれはパーソナルスペースの問題だったのか」
「ドラマなんかでも、悩み相談のシーンはたいてい横並びですよね。まああれは、撮影がラクだというメタな理由もありますが」
「ちなみに、パーソナルスペースの距離はどれくらいなんだ?」
「個人差もありますが、一般的に密接距離は45cm以内と言われております」
「手を伸ばしたらすぐに届く距離、だな」
「はい。まあ現在は、世間がこういう状況ですので、一定のソーシャルディスタンスを確保する必要がありますけどね」
「ところで、最初の話だが、俺とお前は毎回どういう状況で話してるんだ?」
「ですから、横並びの漫才形式ですよ。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」
「俺は対面だと思うけどなぁ……」
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