倦怠期

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。今回のテーマは倦怠期です」

「悲しいけど、恋愛を語る上で避けられないテーマだな……」

「はい。倦怠期を迎える時期は、人それぞれではありますが、一般的には3か月が多いと言われております。理想と現実のギャップに気付き始める時期ですね」

「確かに周囲を見ても、3か月で別れるカップルって多い気がするよ」

「次に多いのは半年です。ここまで交際が続いたカップルは、理想と現実にある程度折り合いをつけているでしょうが、やはりマンネリ化は避けられません。デートの計画を立てるのが面倒で、行くのはいつも同じ店ばかり……なんてことになっていませんか?」

「倦怠期あるあるだな。しかも、話す内容もだいたい同じなんだよな」

「そして、次は1年です。ここまで来ると関係は安定しますが、本当にこの人と付き合い続けていいのだろうかと、将来について考え始める時期ですね」

「逆に、1年を過ぎたらもう安心していいんだろうか?」

「いいえ。浦島殿は、3年目の浮気という歌をご存知ですか?」

「もうこれ、永遠に倦怠期終わらないんじゃ……」

「それくらい男女の仲は難しいものなのです。一度去っても波のように襲い掛かるのが倦怠期ですからね」

「やっぱり恋愛って面倒だな……」

「ですが、正直わたくしは、倦怠期の皆様が羨ましいですよ?」

「どうしてだ?」

「だって、倦怠期は、相手がいるから経験できるものでしょう? 相手との関係が崩壊してしまったら、それはもう倦怠期ではありません。離婚にしろ、死別にしろ」

「あ……」

「ですので、倦怠期中は皆様つらいと思いますが、その苦しさを胸に刻み付けて乗り越えてくださいね? いつか振り返った時、2人で一緒に笑い合えるように」

「そう……だな」

「以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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