梅雨入り

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます」

「最近、雨ばっかりでテンション下がるよなぁ」

「東海地方から西は、もう梅雨入りしていますからね。例年より20日以上も早いそうですよ。ところで、少々気が早いですが、梅雨が明けると七夕でございます。七夕といえば織姫と彦星ですが、浦島殿は、ライバル意識などありますか?」

「ライバル意識?」

「だってほら、あの2人の設定、浦島殿とちょっと似てるじゃないですか。和風・おとぎ話・悲恋カップルあたり」

「ふざけるな! あれは断じて悲恋ではない!」

「ですが、1年に1度しか会えないのですよ?」

「だから何だよ! 2人とも生きてるだろ! 単に会える回数が少ないだけだろ!」

「まあ、そうですけど」

「おまけに、会えなくなった理由も、デート優先で仕事しなかったせいだぞ? ただの自業自得だな! ふん!」

「相変わらず、他のおとぎ話には手厳しいですね……」

「当然だ。俺が認めているのは、人魚姫先輩だけだからな」

「ところで、七夕に雨が降ると、織姫と彦星は再会できません。この雨を催涙雨(さいるいう)と呼んだりします。会えないことを嘆いて2人が流す涙が、雨となって地上に降ってくるわけですな」

「ざまぁw」

「性格悪いと嫌われますよ。ですが実際、7月上旬に梅雨明けしない年も多いので、七夕の日は雨の確率が高いと言われておりますね」

「でも、今年は梅雨入りが早いから、梅雨明けも早いんじゃないか?」

「そうですね。やはり七夕は晴れてこそ。願いを書いた短冊を笹に吊るして、2人の逢瀬に想いを馳せつつ、夜空を見上げたいものでございます」

「ああ、本当そうだな!(当日は雨乞いしよう)」

「心の声が漏れてますよ……。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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