婚約指輪と結婚指輪

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。今回のテーマは、婚約指輪と結婚指輪の違いについてです」

「また指輪の話か? こっちは彼女もいないのに……」

「まあ、将来のために聞いてくだされ。婚約指輪は、プロポーズの際に男性が女性へ贈る指輪で、一般的には宝石のついた煌びやかなデザインです。もちろん、渡すのはプロポーズと別のタイミングでも構いません」

「値段は給料の3か月分、とか言われてるよな」

「1つの目安ですね」

「そんなに高くなきゃいけないのか? 正直そう考えると、結婚する意欲が失せるんだが」

「わたくしも渡す側でしたので、お気持ちはよくわかりますぞ。3か月分の給料があれば、どれほど贅沢ができるやら……。ですが、先日も申し上げた通り、ここで発生した失敗は一生尾を引くと心得てください。いいですか、一生ですよ? 妻の機嫌が悪くなるたびに言われますよ?」

「さすが経験者」

「一方、結婚指輪は男女が共に贈り合うもので、婚約指輪に比べるとデザインはシンプルです。宝石を入れる場合も、内側に埋め込む場合が多いですね。日常的につけるものですので、あまり大きな石は邪魔になりますし、やはり機能的なのが一番かと」

「結婚指輪って、結婚したらずっとつけてなきゃいけないのか?」

「それは本人の自由ですが、積極的につけたらよろしいのでは? 旦那様が結婚指輪をつけたら、言い寄ってくる女性も減るでしょうし、奥様も安心すると思いますよ」

「そんなもん、ドアを出た瞬間に外せばいいだろ」

「やだ、浦島さんサイテー……。ちなみにその方法で浮気する際は、薬指に指輪の跡がついてないか注意してくださいね」

「お前もたいがい最低だな」

「何はともあれ、結婚指輪は夫婦が贈り合う最初の大きなプレゼントです。そもそも本当に必要なのか、値段やデザインはどうするかといったことは、よく相談して決めてくださいね。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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