好きな花
「どうも、浦島太郎です」
「わたくしは講師の亀でございます。百万本のバラの花を、あなたにあなたにあなたにあげるゥ」
「突然どうした」
「という歌もある通り、愛の告白をする際は、女性に真っ赤なバラを贈るとよろしいでしょう。花言葉は『情熱』でございます」
「けどその歌、失恋ソングじゃないか?」
「そうですな」
「ダメじゃないか」
「ですが、人にもよるでしょうが、花を愛する女性は多いですよ。結婚式にも花は付きものでございますし、彼女が好きな花は、ぜひ覚えておいた方がよろしいかと」
「彼女いません定期」
「なお筆者は、結婚式の打ち合わせの際、テーブルに白いユリを置きたいと言ったのですが、ホテルのスタッフに微妙な顔をされてしまいましてな……」
「なんでだ?」
「ユリは見た目こそ可憐ですが、匂いが独特でございますので、スタッフ曰く苦手に感じる方も多いのだそうです。なので食事の席に置くのはオススメできない、と」
「そうか、好きな花を置けなくて残念だったな」
「いいえ、置きましたぞ」
「え、でも、止められたんだろ?」
「筆者はこう答えました。『忠告どうもありがとう。でもこれは私の結婚式なのだから、テーブルに置く花は私が決めるわ。いいわね、わかった? 当日は白いユリを用意しなさい。それ以外は認めないから』」
「ゴリ押しを超えた何か」
「実際はもう少し丁寧に頼みましたが、筆者もたいがい、人の話を聞かない人間ですからねぇ。とはいえ、結婚式はおおむね好評でしたし、匂いに文句を言う人はおりませんでしたぞ」
「まあ確かに、結婚式の主役は花嫁なんだから、その日くらいは自分の趣味を優先するのもアリかもな」
「その通り。ただし常に自分の趣味を優先していると、そのうち友人を失うし恋愛も破局します」
「……(ノーコメント)」
「筆者のこの経験を反面教師にしましょうぞ。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」
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