おまもり

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。ところで浦島殿は、おまもりを持っておいでですかな? 前に絵馬の話をしましたが、愛しい相手を心密かに想いつつ、恋愛成就のおまもりを持ち歩くのも奥ゆかしいものでございます。ちなみに筆者は、離婚する直前に、縁切りおまもりについて調べまくって大変詳しくなりましたぞ!」

「どうして毎回、そういう方向へ行ってしまうんだ……」

「仕方ありませんな。そういうものだと、あきらめてくだされ」

「で、そのおまもりはゲットしたのか?」

「いいえ。ゲットするまでもなく、相手から離婚届を突きつけられました。ちなみに別居中だったので郵送でした」

「泥沼だな」

「ふ、ふん! 入手する手間が省けてよかったもんね!(by筆者)」

「強がりがひどい」

「それはそうと、恋愛成就のおまもりは可愛いデザインの物が多く、若い女性を中心にそれはもう大人気でございますよ。最近はこういう状況ですので、遠方への旅行はしにくいでしょうが、中には郵送での授与を受け付けている神社もございます。片想い中の皆様は、ぜひ一度調べてみてはいかがでしょうか」

「ところで、根本的な疑問だけど、おまもりって本当に効果あるのか?」

「ええ、もちろん……と答えたいところですが、おまもりを持てば無条件に恋が実るわけではございませぬ。学業成就のおまもりと同様で、本人が努力するのは大前提でございますな。その上で、自信を持ってことに臨めば、神仏もきっと力を貸すことでございましょう」

「まあ確かに、前向きに頑張る人間は、神様も思わず応援したくなるだろうな!」

「はい。願いが成就した暁には、おまもりは感謝を込めて返納しましょうな。遠方で出向けない場合は、近所の神社でも構いませぬぞ。間違ってもゴミ箱へは捨てないようにお願いします。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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