悪徳商法

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。今回は、非モテをターゲットとした悪徳商法について勉強しましょう。筆者の体験談をご紹介します」

「筆者の体験談多いな……」

「まあ、失敗事例には事欠きませんからな。ある日のこと、1人で駅前を歩いていたら、30歳前後の男性に声をかけられました。相手いわく、友達との約束がキャンセルになって時間ができたから、そこの喫茶店でちょっと会話の相手してくんない?」

「うわ、ありがち」

「はい、王道のキャッチ・セールスでございます。しかし筆者は、これも人生経験と考え、警戒しつつ話を聞いてみることにしました。さて、喫茶店で席につくと、相手はまず日常会話から始めます」

「わかる。そういうのって、最初はセールスしないんだよな」

「ええ、だいたいこんな流れでした。『仕事はどう?』『今の自分に本当に満足してる?』『何か足りないと思ってない?』『自分を変えるキッカケが欲しくない?』『思い切って自分にご褒美とかどう?』等々」

「人生うまくいってない前提なのが腹立つな」

「ですな。で、こんなご褒美はどうかなと言いつつ、相手がカバンから派手な指輪を取り出します。お値段120万円。この流れは予想通りですが、せいぜい10万円程度だろうと思っていたので、筆者は絶句してしまいました」

「さすがに高すぎだな」

「ここで注意したいのは、相手がやたらと褒めてくるところです。『君って魅力的だよね』『モテないとしたら周囲が気付いてないだけだよ』『キッカケさえあればすぐに変われると思うよ』等々。こんな言葉に乗せられて、うっかり契約してしまった場合は、クーリング・オフ制度を利用しましょうな。キャッチ・セールスの場合は8日間でございますぞ」

「非モテをカモにするなんて本当に許せないよな!」

「その通り。悪徳商法に遭遇したら、毅然とした態度で断りましょう。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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