遅刻
「どうも、浦島太郎です」
「わたくしは講師の亀でございます。いっけなーい、遅刻、遅刻ゥ!」
「食パンくわえて走りながら曲がり角で主人公とぶつかるヒロインじみた発言はやめてくれ」
「無理がありますか?」
「無理しかないな」
「では、やめます。ところで浦島殿は、大事なデートに遅刻してしまった経験はございますでしょうか」
「あるある、あれ気まずいよな」
「その時、どう弁解しましたか?
①ごめん、電車が遅れてたんだ!
②ごめん、時計が壊れてたんだ!
③膝に矢を受けてしまってな……」
「3番は病院行けよ」
「デートどころではありませんな」
「でも結局、どの言い訳しても印象悪いよなぁ。電車にしろ時計にしろ、ちょっと遅れても間に合うように早めに出ろって話だし」
「仰る通りでございます。遅刻した場合は変な弁解をせず、自分の非を認め、正直に謝るのが一番でしょうな。おっと、ここで彼女側の選択肢が出現しましたぞ!
①もしかして、他の女の子と会ってたんですか?(ヤンデレ後輩)
②私を待たせるなんて、お仕置きが欲しいのね?(ドS系女教師)
③じゃ、じゃあ、キスしてくれたら許そっかな!(ツンデレ小悪魔)」
「セーブして全部選びたい(真顔)」
「残念ながらセーブポイントはありませぬ」
「そんな殺生な! なら、さ、3番で……!」
「膝に矢ですな」
「そっちじゃない!」
「いやはや、わたくし感服しましたぞ。身体をはって笑いを取るその姿勢、まさに芸人のカガミと言えましょうや。これは将来有望にて」
「これ芸人養成コースだっけ(困惑)」
「というわけで、今回の講義をまとめますぞ。自分が遅刻してしまった場合は正直に謝る。相手が遅刻してきた場合は、まあ状況にもよりますが、やむを得ない事情なら広い心で許すべきでしょうな」
「先生! 結局3番は選べないんでしょうか!」
「以上、亀と浦島の恋愛講座でした」
「無視かよ」
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