ホワイト・デー

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。本日はホワイト・デーですが、浦島殿は、乙姫に何を渡されましたかな?」

「いや、特に何も。だって俺、乙姫にチョコレート貰ってないし」

「あっ……(察し)以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

「終わるなよ!」

「本当に? 本当に姫からチョコを貰えなかったのでございますか?」

「(そっと目を伏せる)」

「いえほら、きっとアレでございますよ! 今年の2月14日は日曜日でございましたから! 同級生に貰えなかったのは仕方ないことかと!」

「いい加減なフォローはやめろ! 俺と乙姫は同級生じゃないって知ってるだろ!」

「ではつまり、嫌われているのですなw」

「急にフォローやめるのもやめろ」

「あれもダメ、これもダメとは、とんだ我儘ボーイでございますなぁ」

「どうせ俺なんて、ヒロインと結ばれなかった挙げ句、呪いのアイテム渡されてジジイになって絶望して死ぬ運命なんだ……」

「改めて文章にすると、ドン引き級のバッドエンドですな。鬼を倒して英雄になった桃太郎殿とは天と地の差でございます」

「どうしてだよ! 俺いいことしたはずなのに! いじめられてる亀を親切心で助けたのに!(床ダン)」

「はい。誰がなんと言って非難しようと、わたくしめは、浦島殿が一番好きでございます」

「亀に告白されても嬉しくない!」

「ですが、同性に好かれるのは、人間的に魅力がある証拠でございます。さあ、こんなところで諦めずに、わたくしと恋愛修行を続けましょうな? そして来年は、札束ビンタならぬ板チョコビンタで、モテない男を嘲笑する立場になりましょうぞ!」

「それ完全に、同性に嫌われる奴」

「以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

「終わり方雑だな!」

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