持ち物チェック

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。突然ですが、持ち物チェックをいたします」

「えっ、聞いてないぞ?」

「抜き打ち検査でございますよ。さあさあ、観念して所持品を洗いざらい出すんだな! ひっひっひ」

「何故いきなり悪党風に」

「すべて出しましたな? それでは、1つ1つ確認いたします。まず、こちらはスマホで……え、所持品まさかスマホだけ? ハンカチもティッシュもなし?」

「そ、そんな奴ザラにいるって」

「ですが、クシャミや鼻水が出たらどうするので? まさかスマホで拭くのでございますか?」

「んなもん、手で拭いときゃいいだろ」

「今の録音を乙姫に聞かれたくなければ……」

「そのネタもういいから!」

「あまり口うるさく言いたくはございませんが、身だしなみは大切ですぞ。ちょっとコンビニへ行く程度なら結構ですが、せめてデートには、ハンカチとティッシュを持参しましょうな。ハンドタオルでもいいですが、思わぬ場面で必要になるやもしれませぬ」

「思わぬ場面って、具体的にはどんな場面だ?」

「こぼした飲み物を拭く、泣ける映画の後で涙を拭く、通り雨で濡れてしまった身体を拭く、芝生に直接座る時にそっと敷いてあげる」

「確かに、そう言われると色々あるなぁ」

「ちなみに筆者は心配性なので、その他にも文房具、ビニール袋、エコバッグ、胃腸薬、風邪薬、携帯用手鏡、つまようじ、ウェットティッシュ一式を常に持ち歩いておりますぞ。カバンから色々出てくるので『ドラえ○んみたいだね!』と友人に褒められました」

「それ、褒めたのではなく、体型をディスられたのでは」

「あっ、指摘してはなりませんぞ!」

「いっ、いいじゃないか、俺はドラ○もんの体型好きだぜ!」

「励ましありがとうございます。筆者に伝えておきます。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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