第239話 デートの旅~イチャラブ~
秋の気配がどんどん濃くなる今日この頃、朝晩はもう完全に秋と行ってもいいくらいにヒンヤリとしている。
山の上は完全に秋なんだろうなぁ。
寝る前にあんこお気に入りのロッキングチェアの上でユラユラしながらダラけていたら、あんこがおっきくなって俺に覆い被さって甘えだした。超絶気持ちよくてあんこを抱きしめていたらいつの間にか寝ていた。
このぬくもりと肌触りは反則ですよ。ダメ人間製造機すぎる。
朝晩の寒さなんて全然感じなかったし、普通に布団で寝るよりも疲労回復していた。キャンプの時は寝起きの体バキバキ感がネックだったのに......ハイパー快適な目覚めで幸せすぎた。
「んもう、この甘えんぼさんなチート生物め。守りたいこの寝顔」
身嗜みを整えるとか、朝飯の準備などそっちのけで全身に感じる愛しい子の重みと温もりを満喫した。好き。
俺から遅れる事約三十分、お嬢様がお目覚めになられた。寝る前にしていた事を忘れていたのか、一瞬驚いた顔をした後に全力で甘えてきた。ぺろぺろぐりぐり甘噛みはむはむ......顔面だけじゃなく、上半身がお嬢様の愛液塗れになった。熱烈なマーキングありがとうございます!!
心做しか毛並みの艶が増したあんこと物理的に艶々した俺。幸せすぎて辛い。もう此処で死んでも成仏余裕です。
嘘です、死んだらウチの子皆の守護霊となって24時間365日、片時も離れず皆を守護する存在となります。
◇◇◇
朝飯を食べて朝風呂をして、お嬢様の身嗜みを整えてからはじまりの街へと向かった。
今日は中型犬サイズのあんこをおんぶ。たまにくる女の子の日だね今日は。毎日それでもいいんだよ。
ひたすら俺の後頭部や首筋をくんくんぺろぺろするお嬢様の足になれる喜び。感無量でございます。
執事服が欲しい......でも召喚しようとしたら、アラクネが出てくる気がするから我慢。俺の住居まで自力で来るか、何年か経ったら交流を再開させる予定。もう二度と俺や天使たちにバカな考えを起こさないくらいまで反省しろ。それか王女さんたちがアラクネ全体を掌握しろ。
執事服を諦め、背中に感じる幸せの重さに顔を緩ませながら進んでいく。この甘えるあんこを他人の目にいれたくないのでゆっくりめに走る。それに、こんな甘えまくられる日に絡まれたりでもしたら、俺はきっと大樽爆弾Gかそれ以上を起爆させてしまうから......
まったりランニングでもお嬢様はとても嬉しそうにしてくれている。きっとこの子も俺と一緒で、二人っきりの時間をとても喜んでくれているはず。
調子に乗った俺は悪巧みを思い付き、それを実行に移す為に行動を開始する。
マセガキが女の子をおんぶした時にワザと動きを大きくし、おっぱいがたゆんたゆんと背中に当たる感触を存分に味わうあのシチュエーションに倣い、俺もワザと揺れを大きくしながら走り始める。
乗り心地の悪さに気分を害してしまう恐れがあるが、もしあかんかったらすぐに辞めるので許してください。ふっさふさの御しっぽ様が背中でバウンドするのが幸せなので、もし大丈夫ならもう少し味あわせてください。
............楽しそうだね。よかったよ。
わふわふ言っているあんこの息遣いが耳を擽る。背中に当たる御しっぽ様も、左右に交互に当たっている。これはしっぽを振っているからだな。たまらん。
ランチタイムまでずっとこの状態のままノンストップで走った。ご飯の準備の為に一度背中から下ろそうとすると、大きくなって俺に後ろからしがみついて拒否。
「うーん、可愛いからそのままでいいよ!! ......でも食べる時は膝の上に来てね。あーんがしずらいから」
「くぅーん」
......こんな幸せでいいのかしら。いつ隕石が頭に直撃してもいいように警戒しておこう。
直撃したとしてもたんこぶが出来るか出来ないかだろうけど、当たりどころが悪くてってパターンもあるからね......ははは。
お昼ご飯はとっておきの美味牛のジャーキーとイワナモドキの塩焼き。気分がアガりすぎてお嬢様の初期からの大好物をあげちゃうくらいに感情が振り切れている。
デレデレ甘々すぎて今日が永遠に続いてほしくなる。ループモノのように永遠に今日を繰り返したいな......時魔法みたいのを覚えられないかなぁ......今度草野に命令してそれらしいアイテムを生み出させてみようかしら。
今度やらせてみよう。無理だったら......勢い余って殺してしまうかもしれない。気をつけなきゃ。
午後からはあんこたんたっての希望により、大人ハスキーサイズのお嬢様+首輪+リードのわんわんお散歩スタイルでのお散歩。ハーネスは嫌!! と断固拒否されたのでこうなった。
わんぱくお嬢様に引き摺られたり、慣れないリードに絡まって悲しい鳴き声を出すお嬢様を救出したり、リードの限界を測り損ねてグエッてなったお嬢様を慰めたり......うん、とっても可愛かったけど首輪は可哀想に思った。
そんな俺の心配を余所に、お嬢様は大変はしゃいでいた。苦しくない? キツくない? おじさんとても心配なの。
でもそんなの関係ねぇとばかりにどんどん進むお嬢様を見て遂に俺が折れる。
「喉や体を痛めないように気をつけてね」
それだけを伝えた。さぁ満足するまではしゃぐがよい!!
......あんこの体の心配をした俺だったけど、あっちで夢見にまで見ていたハスキー(成犬)とのお散歩に心揺さぶられないはずもなく、途中からは全力で楽しんだ。思いっきり写真を撮り、思いっきり走り回り、思いっきりわんこ用オモチャを取り寄せたりと、それはそれはもう楽しんだ。夢がまた一つ叶いました。
はしゃぎにはしゃいだので当然街にまで到達するわけもなく今夜もキャンプ。
夕飯は異世界炙りサーモンいくら丼。
鉄板焼きにしようかなと思って収納に入っていた一匹を取り出して捌いたところ、お腹から立派なイクラちゃんがおぎゃった。
あっちで見た事あった気がするイクラの製造過程を思い出しながら下拵えをして醤油に漬けた。イクラちゃんを漬けてる時間が必要なので、急遽予定を変更してお風呂タイムを先にすることに。
おっきな湯船につかり全身をマッサージして体を解し、肉球を揉みしだき、あんこの宝物のアヒルを浮かべて体を温めた。
ぷかぷか浮かぶアヒルを口に咥えながら甘えた声を出すあんこが可愛すぎてパシャりまくった。またアルバムが潤うぜ......へへへ。
やり方があってたかはわからないけど、味は普通にイクラだったから成功と言ってもいいでしょう。うん。
想定以上に長風呂になってしまった影響も無く、とてもいい味に漬かっていました。
余った身は焼き鮭にして収納にイン。焼き鮭定食や鮭おにぎり、鮭フレークにして食べようと思っている。
なんかあんこが異常なくらい甘えてくる。俺は幸せだけど......大丈夫かな? 正確にはわんこと言えないこの子にも発情期とかあるのかしら?
まぁいいか。
好き好きって言ってくれる今を楽しもう。いつか来るかもしれない嫁に出す......その時まではこの子は俺の大事な娘だ。
......あかん、変な事考えたら胃がキリキリしてきた。あんこたん、俺を癒してくれ。
これが......所謂NTRとかBSSと言う物なのかな。
脳内でこれなら、リアルデソウナッテシマッタ時、俺ハドウナルンダロ......ハハハハハ......
◇◆◇
side~あの商隊その後~
「......なぁ、お前はあの吹き飛んできた人の事どう思う?」
「旦那様、自分にはわからないですね、あれ、人なんですか? 自分なら馬車を粉砕してピンピンしてられないですよ」
「超人の事は凡人には理解できないよな。すまん、変な事聞いて」
「大丈夫です。自分も同じ気持ちですから。ちなみに護衛にも聞きましたが、やはり誰も知らないようですよ。でも何処かで見たような気がするとは何人かが言っていました」
「お前もか......だよなぁ......俺もなんか見た事ある気がしてな、ずっとモヤモヤしてんだよ。何だコレ。
......おっと着いたか。ミステリアス商会。最近勢いがすげぇココと接点持ててよかったぜ。オイ、荷物運んじまうぞ」
「わかりました。では............はっ!?」
「お、おい、急にどうした......ハァァ!?」
王都に辿り着いた彼らが目にした物は、つい最近見た事のある犬の人形と、真っ黒なローブを着ている顔の見えない人形だった。
まぁそういう事である。
「......旦那様、コレ、顔は見えないですけど、服装といい、犬といい......彼ですよね」
「......だな。なんだコレ......護衛とか俺が見た事ある気がするってなってたのは、この犬の人形を見ていたからなんだな」
「なんか頭が痛くなってきました。早く運んでしまいましょう。今日は飲みたい気分です」
「......一緒に飲むか」
「ありがとうございます」
だが、この後恥ずか死忍者が目敏くシアンの
そこからは今をときめくミステリアス商会の面々に質問攻めに遭い、早く終わらせて飲みに行くという野望はアッサリと打ち砕かれたのだった......
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やきうのレギュラーシーズンが終了してしまいました......セはまだ一試合残ってるけど。例年よりも遅い終了で楽しかったです。これからオフシーズン......長い......
CS勝ち上がって下克上して欲しいけど、来シーズンの為に休んでも欲しい気持ちもあって複雑......ぐぬぬ......
とりあえず生え抜き初の打点王が出た事がAクラスに残れた事よりも嬉しくて大満足でした。皆さんの贔屓チームはどうでしたか?
あ、それとZOZOマリンでの第二戦を現地観戦予定なので、その日はすみませんがお休みという事で......すみません。
今後ともよろしくお願いします。
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