第103話 ひと狩りいこうぜ!
昨日はプール、ご飯、お風呂と楽しかったな。ワイワイ楽しそうにしているウチの子たちを見るのは幸せだ。
でも最近少しだけ不満がある。
最近のご飯は魚、野菜、魚、野菜、魚......うん、ガッツリと肉が食いたいのじゃ。この子たちと一緒に。
ㅤそして肉料理の素晴らしさもこの子たちと共有したい。犬(見た目)、蛇、梟って本来は肉食じゃないの?
あんこは乾燥させた肉......ビーフジャーキーを好むし、ピノちゃんは肉をあんまりねだらない。
ツキミとダイフクは加工肉にご執心。焼いただけの肉とかもおいしいんだよー。
肉なら地球産でもイケるんだけど、どうせなら異世界肉の美味いもんが食いたい。
牛肉にはもう目星が付いている。あとは鳥肉(鶏肉)、豚肉、ジビエ系......まぁなんでもいい、それらの美味しい種類を探して、美味い肉料理を心ゆくまで堪能したい。
有名な食べ歩きおじさんみたいにウォォォォォンてしたいねん。
人間火力発電所になりたい。俺の体には、現在火力が足りてない。
鉄板で焼ける肉、立ち上がる煙、迸る肉汁......肉をこれでもかってほどに喰らい、体内の水分がビールなのは常識だろ?ってくらいに流し込たい。
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肉と絡むタレ......香ばしく付いた焼き目......肉の味を引き立てる塩味......アツアツの肉にタレを纏わせて、白米の上でワンバンしたい。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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この二パターンが王道、円環の理......愛すべき無限ループ。お肉とご飯は合うんだよ!!ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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とある有名な詐欺師も言っている。「肉を食え、肉を」と。
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そう......肉だ、俺の体は肉を欲しい欲しいと喚いている。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
......よし、今晩は焼肉パーティーにしよう。移動中に獲物が狩れたらそれを使用して、ダメだったらお肉を大量に仕入れよう。
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夜への期待を込めて、朝は簡単に済ませる。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
今はコレで我慢してくれマイストマックよ、夜だ......夜に欲望を解放するからな!!
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はい、テンションが振り切れた俺は、これから企画を立ち上げます。では説明に移りましょう。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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「そんな訳で、お集まりの紳士淑女の皆さん。なぜ集められたのかわかりますかー?」
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朝食後になんか変なモンでもキメたのか?ってテンションの俺から、頭の悪い問いかけをされて戸惑っている我が愛すべき小動物たち。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
そんな姿も可愛いよ!!でもね、殴れば元に戻るかな?って真剣に話し合わないで。こっち見てくれよ。
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満場一致で「わからん」に四票入りました。もう少しだけおふざけに付き合ってくれてもいいのに......
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まぁいい、これくらいでへこたれるくらいなら、こんな事は最初からやらん!
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「えー、皆さんはお魚の美味しさを理解したと思います。それで、俺の山での目標はなんだったでしょうか?あんこちゃん!お答えください」
困惑してるお嬢様......吹っ切れようよ。もうさ、このバカバカしさを楽しんでほしい。いや、お付き合いをお願いしたい。
『お、お肉?』と困惑気味に答えるあんこちゃん。そんな姿も愛おしい。
心がへし折れるまではこのテンションでいかせてもらいます。
「はい正解でーす!ちゃんと答えられたあんこちゃんにはくしゅー」
ぱちぱち......俺の拍手だけが虚しく響き渡った。
まだだ......まだ終わらせんぞ!!
「それではピノちゃんやい!俺が今何を伝えたいかわかりましたかー?」
......ちょっ!!
白い炎の弾丸が割とガチめのスピードで俺の顔面を狙ってきた......
ねぇ、泣いちゃうよ?いいの?
成人男性が小動物を前にして泣きじゃくるよ?きっと地獄絵図だよ?
「はい、時間切れです。それとこちらに攻撃はダメですよー。残念ながらピノちゃんは不正解デース!もっとよくお勉強しましょ......あっっぶね!!」
超高熱のレーザーを放ってきやがった......後ろの木に大穴があいて、ブスブスと煙を上げてるぞオイ。
火力が足りてないとは言ったけど、ピノちゃん、そういう火力じゃないのよ。
え?殺す気?と思ってチラリとピノちゃんを見る。
あ、そろそろダメだね。取り返しがつかなくなる。
ピノちゃんが俺を今まで見たことのないような鋭い目で見てくる。
「ご、ごめんなさい......」
鳥ちゃんズはホッとした顔をしている。そちらへと被害が来なかったことを露骨に喜ばないで!安心しないで!
『で、何がしたいの?』
シャーってしながら言われた。悲しい。
「お魚は美味しかったでしょ?それでね、お肉が食べたくなったの。多分この山にはいっぱい肉が居ると思うから。
変なテンションになったのは謝るけど、皆でひと狩りいこうぜ!!って言いたかったんです。ハイ......ふざけた事してすみませんでした」
わかればよろしいとでも言いたげな八つの目。うん、クリンクリンで可愛いよ。
積極的に俺から何かを狩ろうって提案をしたのは初めてなので、あんこは気合いを入れているし、ツキミちゃんもヤル気みたい。
魚以外に獲ってこなかったし、そもそも獲物が寄ってこない。
そしてその元凶は今謹慎中、やるならば今......だ。
やってもいいけどウザいテンションは止めてねって、ピノちゃんとダイフクに釘を刺される。
綺麗に意見の別れるチームホワイトとチームふわもこ。チーム辛辣とチーム甘えんぼとも言う。
まぁいい。さぁ、ひと狩りいこうぜ!!
◇◇◇
そこからの行動は早く、手早く集合地点と、大体の集合時間を決め、皆さん散っていった。
さっきのチーム分けそのままに。君たち仲良いね。
「思ってたんと違うっっ!!」
皆でワイワイやれればいいと思っていたのに、なんで皆俺を置いて走っていっちゃうのよっ!!
コンビ、コンビ、ソロ......奇数だから仕方ないとしても、あの子たちの息がぴったりすぎて悲しい。仲間はずれにするのはダメよ!!
ツキミとダイフクに空から偵察させて、あんこが獲物を追い込み、俺とピノちゃんで仕留める......そんな事がやりたかったのに。悲しい。
はぁ......俺も狩りに行こうか。提案者が獲物0とか話にならない。
狩りなわけであり、殲滅とかじゃない。なので探知は使わずに歩き回って獲物を探す事に決める。
何も獲れなかった場合のみ解禁すればいいだろ。
狩りと言えば猟銃、もしくは弓やボウガンだな。野生児みたいな狩りより、飛び道具で仕留めたいっていう願望。
ということで手元に猟銃を取り寄せ、あの有名なゲームのBGMを口ずさみながら歩いていく。
あの子たちは絶対に獲物を獲るだろう。負けてらんないな。
魔力、プレッシャー、気配など、獲物に逃げられそうな要素を改良型犯人スーツで全て消していく。有名な大泥棒が建物内に侵入する時の格好みたいな見た目になっている。
怪しくたっていいじゃない、山奥だもの。
これで、某幻のシックスマンくらいに存在は希薄になっているだろう。
音を立てないよう、慎重に歩いていく。
小型の生物は結構見かける事ができて、可愛いなぁとは思うものの食肉にするには申し訳なく思うのでスルー。
しばらくそのまま進むと岩場に出る。
無闇に歩き回るよりも、待ち伏せタイプの狩りがいいのかな?どうも某狩りゲーの意識が強すぎる。
岩場の陰に隠れて獲物を待つことに切り替えた俺。
周囲を観察しながら待機する。
岩の上に巨大なシカが現れるとか、巨大イノシシが現れるとか、クマが丸太を振り回して打撃練習しているとか、ファンタジーにありそうなイベントがあったらいいなぁ......
夢のあるイベントが起きる事を祈りながら、水分補給して獲物が現れるのを待つ。さぁ、早く来い!
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