第102話 団欒
プールで遊んだ後の水を抜く、この跡地は夜にお風呂でまた使おうと思ってる。
俺で散々遊んだ子どもたちは、今はプールサイドでのんびりしている。
今日は大自然の中でプールなんて事をしたし、夜も皆で一緒に食べられる物を食べたい。
そうなったら、選択肢に上がるのは鉄板料理かバーベキューくらいかな?
ちょうど異世界サーモンも追加できたし、ちゃんちゃん焼きを試してみよう。ウケなかった時の為に、ちょっと違う物も作っておけばいいか。
という事で調理開始。
切り身の鮭に塩コショウして少し放置。
その間に一品。
日本でよく見る刺身用サーモンをスライス。寄生虫が怖いから地球産で。
オリーブオイル、レモン汁、塩コショウ。
個人的に好きなので、それに柚子胡椒と醤油を数滴。
刺身に上記の三種、そこに柑橘類の皮、わさびや梅でもおいしくなるお手軽なカルパッチョ好き。
刺身と玉ねぎ、レタスを混ぜてカイワレと刻みネギを乗せれば完成。楽でいい。
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こんなに簡単なのに、料理のできる人ってハッタリにもなるし、ちょっと雰囲気のあるおつまみとして活用できる。
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カルパッチョが出来上がり、ちょうどいい頃合いなので、塩コショウしておいた切り身の水分を拭き取り、小麦粉を満遍なく付けたものとそのままの二種類にわける。
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鉄板にバターを落とし、皮目を下にして異世界サーモンを焼いていく。
同時にフライパンにもバターを落としてこちらも同様に、小麦粉をまぶした方を焼いていく。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
キャベツ、人参、しめじ、じゃがいもを適当な大きさにカット。じゃがいもと人参を一緒に鉄板で焼いていく。
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みりん、味噌、酒、砂糖、を目分量で混ぜ合わせて、最後に醤油を適量。アホな事さえしなければ適当でも十分おいしくなる。
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鮭、じゃがいも、人参、しめじを一箇所に集めてキャベツを蓋代わりにして覆って、その上からさっきの合わせ調味料を掛けて放置。
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ちょっと焦げた野菜や鮭、味噌がまた香ばしくなりアクセントになる。
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ムニエルは触らずに、カリッとするまで皮面を焼くのがコツ。片面焼けたら裏返し、蓋をして火を通す。俺は身がふっくら派なので蓋をして焼く。
三分程焼いた所で強火にして、もう一度皮面を焼けば完成。お好みでバターソースを作るのもいいかも。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
最後にちゃんちゃん焼きの仕上げ。じゃがいもに串が刺さるようになっていれば頃合。
キャベツがシャキシャキ派なら後入れにして普通の蓋を使って、クタクタ派ならこの方法でいいと思う。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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それらをよく混ぜて完成。七味をかけてもいいし、追いバターで旨味を出す代わりにカロリーと争うか。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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ムニエルはちゃんちゃん焼きがハマらなかった時の保険。ムニエルがハマらなかったらホイル焼きで。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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カルパッチョは俺用。あの子たちは生系は食わないと思う。食いたそうきしてきたらあげよう。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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......サーモンばっかだな。サーモンがトリプってしまった。
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何品も、違う料理を作るのには慣れていないので仕方ないね。主婦の方や、料理を生業としている方は凄いと思う。
自分好みの物を適当に作るだけの趣味とも言えない腕だし仕方ない。
ソロの野郎飯なんて、栄養バランスや彩りなんか知るか!米さえ進めばいいんだよ!or酒のつまみになれば万々歳や!くらいだよね。
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まぁいいか。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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「ご飯できたよー!こっちも気に入ってくれたら嬉しいなー」ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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呼ぶとすぐに集まってくれる。可愛い。
「ダメそうだったら他にも用意してあるから言ってね」
そう言うと皆一斉に食べ始めた。
あんこ以外はガツガツ食べている。あー......味噌がダメそう。
ごめんなさいって感じで、しっぽがしゅんとしているあんこを撫でて、ムニエルとホイル焼きを出してあげる。
味噌がダメだったみたいで、ムニエルとホイル焼きにはガッついている。しっぽも元通りになり、一安心。
ピノちゃんや鳥ちゃんズもムニエルが気になるらしく、おねだりしてきたのであげる。
喜びながら食べていて嬉しい。ガッついてくれるのは見てて幸せ。
ダイフクは味が濃いのダメそうと思っていたけど、そうでもなかったみたい。
さぁ俺も頂こうか。
バターと味噌の香る鮭を野菜と共に口いっぱいに頬張る。こういう料理はちまちま食うよりも、下品に食べた方が美味しいと思っている。
クタクタになったキャベツに味が染み込んでいて美味い。サーモン、野菜、味噌......全ての旨味が口いっぱい広がって幸せになれる。
玉ねぎはちょっと甘くなりすぎるので俺は入れない。その代わりにじゃがいもを入れる。
入れたことの無い人は是非試して欲しいくらい美味いよ。
酒をいくか、米をカッ食らうか迷った挙句、本日は米を選択。
焦げのついた味噌バター味に米。匂いだけで米が食える。
七味を振りかけて追いバター。それを豪快に口へぶち込み、白米で追撃。
ゥンまあ~いっ!!
ツキミちゃんは辛いのが好きだったのを思い出して、辛くできるけどどうする?と七味をかけるか聞いてみる。
そう聞いた瞬間に、目を輝かせてお願いされた。気が利かなくてごめんよ。
少しずつかけていく。
味を確かめながら適量を探っているツキミちゃん。真っ赤になるまでは行かなかったけど、結構な量をかけた。
辛い系の調味料をこれから用意しておかないと。
それを見てダイフクは露骨に嫌そうな顔をしていた......多分チョリソーですら辛すぎたんだろう。
ピノちゃんは要らないみたい。この子の味覚は未だに把握できていない。
白くて弾力のあるモノと醤油が好きなくらい。
やらせようとはしないし提案もしないけど、ダイフクを一噛みさせてみて、感想を聞いてみたいと思っている。
これはずっと心に秘めておく案件で、あの不思議な感触を甘噛みしてみたいと思っている。
まぁそれはいい。いつか実現したらいいくらいの気持ちでいる。
シアンの野望シリーズにひっそりと加えておこう。
飯をたらふく食べて幸せそうに寝転がるお嬢様とピノちゃん。巣穴で休むダイフクに俺の肩に乗ってご機嫌なツキミちゃん。
「ゆっくり食休みしてから皆で大露天風呂に入ろうね。俺も食いすぎて今は動きたくないし」
そう声をかけるとしっぽを上下させて、それが問いかけへのお返事と思われるピノちゃんとあんこ。野性味の欠けらも無い、油断しすぎている姿に萌える。
ダイフクは巣穴からホーっと一鳴き......もっと構わせろお前は!
ツキミはスリスリしてきて俺のほっぺが喜んでいる。
明日あたりに骨喰さんの謹慎を解いて、ちゃんと鳥ちゃんズに紹介してあげないとな......と思いながら横になる。
肩に乗っていたツキミちゃんを抱っこして、胸の上に乗せる。急に倒れ込もうとして驚かせちゃってごめんよ。
ツキミちゃんも肌触りすっごい気持ちいいねー。抱きかかえて撫で回していく。
その最中にブワッて大きくなってもらったり、細っこくなってもらったり......えぇ、とても至福な時間でしたよ。
ブワッと広がった時の触感と可愛さは異常でした。黒マリモ。
途中で寝転がっている俺の元にあんことピノちゃんもやってきて、皆でダラけた時間を過ごし、皆が元気になってきたのでお湯を張って入浴。
大きな露天風呂で皆と戯れながらのんびりと。
途中で仕切りを作って、ぬるま湯ゾーン、普段と同じ適温ゾーン、熱いお湯ゾーン、常温の水ゾーンに分けて各々好みの温度帯に入ってのんびりまったり露天風呂を楽しんでいる。
鳥ちゃんズは適温、ピノちゃんはぬるま湯、あんこは水と適温を交互に。
俺は熱いのと適温でまったり月見酒。
いやぁ素晴らしいよ。浴槽もいいけど、屋外なら露天が最高。
皆気に入ってるみたいなのでこれからも適度にやっていこねー。
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