第101話 プール遊び
酷い目に遭った......ある意味本望な展開だったけど、もう少しマイルドに絡み合いたかった。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
へその氷が溶けないんだけど、これは何かな?俺への戒めだったりするの?
冷たすぎて感覚が無くなってきたけど、凍傷になったり腹を下したりしないよね?
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
まさかの自然現象が一番ダメージ与えられるって展開なんですかね。お願いしますからもうやめてください。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
「十分反省してるから、この氷を解除してくれませんか」
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
腰を直角に曲げて深々とお辞儀をして頼み込むと、ようやく解除してもらえた。あぁ......冷えきったおへそが外気で温められていく......ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ひとまずこれで皆とアホな事をやれるくらいには和解できた。見方によっては小動物たちに集団暴行を受けている成人男性の酷い絵面だったけど......
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
もみくちゃにされる幸せな飼い主みたいな構図でもあるけど、常人がやられたら悪夢のようなダメージを受ける現場でもある。
俺自身にはダメージほぼ皆無なんだけどね。この子たちが他人にはやらないと公言してるし問題は無いと思う。無敵ボディの俺への愛情表現です。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
でも普通に構ってもらう方が嬉しいから、手加減はしてね。今回は戒める側面もあるだろうし受け入れるけど。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
なんだかんだ言ったけど、朝から濃密な絡みが出来て嬉しかったです。
その後は朝飯を食べてから、今日も愛すべき我が子たちをフル装備して出発。
昨日と変わったのは、あんこがライトボウガンからヘヴィボウガンに変わったくらい。接地面積が増えて幸せです。
◇◇◇
あれから三日、今日も川沿いを歩いていく。上流から流れてきているこの川......一体どれくらいの長さ、どれくらいの標高から流れてきているんだろう。
尋常じゃない水量、尋常じゃない長さなんだけど。
道中、マイエンジェルたちと戯れながら、そして異世界サーモンや異世界フィッシュを、糸を操作して適度な量を捕獲しながら進んでいった。
昨日は幻影を使ってあんこの犬種を弄って遊んだりした。と言っても、ハスキーの子ども体型のままで毛並みを変えただけだけど。
ダルメシアン、コーギー、黒柴の姿は可愛かった。
魚の捕獲については、異世界サーモンはあっちよりおいしいからね。仕方ないよね。
ちなみに、他の川魚の味は似たり寄ったりだけど、サイズが大きいから食べ応えはある。
ウチの子たちは自分で歩いたりしながらも、基本的には俺にくっつきながら進んでいる。これは甘えてくれているんだと思っているけど、ダイフクは多分自律移動できる兵器とか思っているのかもしれないけど。
途中で変な植物に興味を引かれたりもしてたけど、無闇に突撃していかないからちゃんと学習してくれているようで嬉しい。ウチの子たちは、強くて賢くて可愛くて......それはもうパーフェクトなんですよみなさん!
それはそうと、とうとう川が終わった。水が岩の亀裂から水が吹き出している。
川の源流ってこんな風になってるのか?初めて見れて少し感動。
あんこは水場が終わって少し悲しそう。多分こんだけ広い山だし水場は色んな所にあると思うから悲観しなくてもいいと思うよ。
そんなあんこを慰めながら歩く。
「水場がありそうだったら教えてね」
そう言うと少し元気になった。水場が恋しくなったら穴を開けて水を張ってあげよう。
簡易なプール構想を練っていたら、何を考えてるの?と聞かれる。
プールについて話してあげると、やってみたい!!と超ノリノリになった。可愛い。
あんこがピノちゃんと鳥ちゃんズに説明しにいった。すぐに興味を持ったらしくて皆ソワソワしてる。
移動するのを中断してプール遊びに興じることになった。こういうのもいいかもね。
そうと決まれば早速用意を始める。
あんまり深くない子ども用のプールくらいの物を、あんこ掘ってと頼む。これくらいの深さなら皆で楽しめると思う。
普通に秋になってきてるのと、山の標高が上がってきていて肌寒い。
なので温水プールに変更......プールってよりも屋外の浴場みたいになったけど、まぁ気にしないでおく。
火や氷のダメージは受けないのに不思議。熱さ、冷たさには耐性があるのに、暑さ、寒さに耐性は無い。
融通の利かないわがままボディめ......
温水プールにしてもいいかと訊ねると、快諾してくれた。
冷水のプールと温水のプールの二種類作ってもいいよと提案したけど、一緒がいいとの事。気遣わせてごめんね。
ちなみにピノちゃんは温度操作でこれ系には強くなっているので問題は無い。鳥ちゃんズは寒さに強くて暑さには弱いらしい。
完成した子ども用プールを少し改築。四分の一を大型犬が遊べるくらいの深さ、四分の一を俺が使えるサイズの深さまで変更。
水温はほんのり温かいくらいの温度にして水を張る。
これで準備は整った。じゃあ入ろっか!
「できたよー!」
そう言うと皆一斉に飛び込んでいった。せめて俺用の場所で飛び込みなさいよ......浅い場所に飛び込むのは危ないぞー。
楽しそうにパシャパシャ水遊びしている小動物たちを見てると心が安らぐ。
マッパでも問題は無いんだろうけど、プールと思って作った場所でマッパは少し違うので海パンを装着。
ついでに水鉄砲を二丁用意。スキルでやると威力調整がしっかりできなかった場合が怖いから自重。
俺用に作ったの深さのところへ入水して寛ぐ。じゃれあっている小動物たちが可愛いのでいくらでも見ていられる。
しばらくハートフルな光景を見ていた。はしゃいでいたのがマイルドになってきたのでここら辺で乱入しようと思う。
水をフルに装填......マフィアとかがやるような感じで腰の辺りに納める。さぁ行こうか......!
どうやってるかわからないけど仰向けでぷかぷか浮いているピノちゃんと、白黒並んで目を閉じてリラックスしている鳥ちゃんズを不意打ちしようとニコニコしながら近付いていく。
ピノちゃんはこちらをチラ見しただけでぷかぷかを続ける、鳥ちゃんズは警戒すらしていない。
「あっそびーましょー」
そう言いながら神速で銃を抜いて撃ち込む。ピノちゃんには連続で六発、鳥ちゃんズには三発ずつ。
付き合いの長いピノちゃんは油断しているフリをしていたのかしらないけど、「あっそび」の辺りで既に警戒態勢を取っていた......悔しい。
見事に回避されてしまった。反撃として尻尾で水を叩きつけて水飛沫を飛ばされる始末。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
鳥ちゃんズには見事全弾命中。直感は働かなかったのかな?やったぜ!!
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
当たるのを見届けた後、ピノちゃんがあげた水飛沫を全身に被り、不意打ちをかまされた鳥ちゃんズから乳首にドリルくちばしをされた。取れちゃうかと思った......
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
その後は大型犬サイズになって犬かきしていたあんこも乱入して水の掛け合いに発展。
四対一の分の悪い戦いに果敢に挑むも、見事惨敗。濡れ鼠にされてしまった。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
弾切れになるまではいい戦いだったとは思う。弾切れになるまでは。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
停戦の協定を結び、敗者へは罰ゲーム。どこでそんな知識を得たんでしょうか......俺は教えてないぞ。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
俺の身体をボードとして扱いながら深いプールで一家団欒。俺は浮かんでいただけだったけど、嬉しそうに俺の上で休む姿を見れたので幸せでした。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
最後の方で『これはお風呂と何か違うの?』と聞かれてしまった。
確かに......何が違うんだろうか。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
上手く返せずに、全裸で入るのがお風呂で、今のように何かを身につけて入るのがプールだよ......と適当に返事してやり過ごした。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
個人的に使用するのなら温水プールもお風呂も、上手く違いが説明出来ないんだなって感想を抱きながら、浮かぶモノとしての責務を一生懸命果たしていった。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
急遽開催したプール遊びだったけど、楽しく遊べたのでよかったよ。今からまた進むのもめんどくさいし今日はここで一泊しようか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます