第94話 熱烈歓迎鳥者
ウチの子たちが起きてくるまで餌付け作業が続いた。
コイツらはとりあえずめっちゃ食べるからご飯あげるのが楽しい。凄い勢いで吸い込んでいく。
黒い子はチョリソーとカルパス、白い子はレモン&バジルのソーセージとチータラが好きみたいで、耳みたいな羽根をピコピコ動かしながら食べていた。嬉しい時はアレが動くんだろうな。
宅飲み時のゴッドハンド、その指の二本を選ぶとは......コイツらわかっておる。酒を用意したら、それをツマミながらガブ飲みしそう。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
柿ピー、ミックスナッツ、カルパス、チータラ、アタリメ......俺の中ではこれらがゴッドハンドだ。異論は認める。
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そうこうしていると、お嬢様とピノちゃんがお目覚め。器用に俺の掛けた罠を解除してこちらへ向かってきた。いつの間にそんな事が出来るようになったんだろう。
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あぁ、ここは天使達の遊び場だったんだね......ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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「......アメージング」ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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その一言をどうにか捻り出した後は、無言でカメラを構えてパシャりまくった。
白と黒のモコモコ、ふわもこのわんこ、それにキュートな白蛇......パラダイスや!!
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あの子たちはなんかコミュニケーションとってるし、放っておいて問題はなさそう。喧嘩に発展しそうなら止めればいい。
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あぁ......それにしても素晴らしい光景だ。
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クソみたいな単細胞生物生物との絡み、出来の悪いスプラッタを見た後の俺の心を洗い流してくれる......とても尊い光景......
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色が派手なのがいないのがいい。目がチカチカしない。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
色が派手な箇所も、ワンポイントのみってとこがいいね。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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撮るのに満足したから、後はこの尊い光景を目に焼き付けながら待とう。
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おかえりなさい。話は纏まったかな?
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通訳担当のピノちゃんが俺に話し始めた。
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・体の色や、個体の強さが明らかに違い、異物として排除されてこの洞窟で暮らしていた
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・黒い子が俺の魔力に惹かれ、様子を見にきて懐く
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・そしてさっきまでの状況に
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・黒い子は俺と一緒に居たいらしい
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・白い子はソロで生きていけるし、黒い子がそうしたいならそれでもいいらしい
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・俺の予想通りに白い子はオス、黒い子がメスだった
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なるほど......通訳ありがとねー!
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ピノちゃんを撫でて感謝を伝える。俺がこの鳥ちゃんたちを迎え入れたいと思っていることに気付いている様子。
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ピノちゃんもあんこも、お迎えするのは問題無いって俺に教えてくれた。
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さて、なら最後にこの子たちの意思確認を。
と言っても、白黒両方ロックオンしているから逃がすつもりはない。
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頑張って白い子も言いくるめるのさ!
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「黒い子は一緒に来てくれるんだよね?おいで♪家族になろう」
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両手を広げてそう呼びかける。
それをピノちゃんが通訳すると、黒い子は嬉しそうに飛び込んできた。
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魔力を与えると、何かが繋がる感じがした。これでこの子はウチの子になった。
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名前考えなきゃなぁ。
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さて、お次は白いのだね。ソロになる気満々なコイツもしっかり引き留めなくては。
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第一弾は黒い子に説得してもらう。
黒い子には単純にこれからも一緒に居ようよって訴えてもらうだけ。
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ピノちゃんからは、俺と共に来る事のメリットを伝えてもらう。
デメリットは俺にモフられる事と、生活環境が変わるくらいだから別に言わなくてもいいでしょ。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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ホーホーホーホー聞こえる。見ていて和むぅぅぅ!!
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あんこを抱っこしながら、ピノちゃんと黒い子による白いのの説得を見守る。
「今回の件で仲間が増えるけど、あんこはこれでよかった?」
『新しいお友達が増えて嬉しいよ!鳥さんたちも寂しかったみたいだから、これで良かったんだよー』
「そっか......なら、俺らで寂しくさせないようにしないとね。仲良くしてあげてね」
『うんっ!!』
可愛いお返事を貰い、イチャイチャしながら成り行きを見守る。
あちらは少し難航してる雰囲気。
白いのはツンデレっぽいからなー。
......一度ソロでやるって言った手前、意地張ってるのかしらね。
海賊王になる男みたいに、強引に仲間へと引き込む方がよかったかしら。
そんな事を考えながらモフっているとピノちゃんが帰宅。
お疲れ様ぁとなでなでしながら報告を聞く。
やっぱり白いのは意地を張っちゃってるみたいで、黒い子が今説得しているらしい。
多分このまま放置していても、最終的に説得が成功すると思う。なので今のうちに名前を考えちゃおうか。
第一印象では黒い子がおはぎ、白い子が大福っぽく見えたんだよな。
......んー、可愛くない。可愛くないぞぉ。
ルナ、ソルとか安直すぎるのは嫌だし......
やばいな、難しいぞ。
お嬢様の時は音速で決まっちゃったし、ピノちゃんの時は特徴的なヒントがあった。
あかん......決められる気配が無い。
きょ、今日中に決めなければいけないなんて事はないし、明日までに決められるように考えよう。
焦ってもいい事無いし、雑に決められるより、しっかり考えて決めた方がいいよね!!
頭の中で言い訳していると鳥ちゃんたちの話し合いが終わった模様。
ちょっと白い子が疲れてるみたいだけど、俺が考え事をしてる間に何かあったのかな?
白い子も了承したようなので魔力を与える。ちょっとやけくそ気味に指をクチバシで刺してきた。
ごめんね。ちょっとだけ衝撃が来る程度で、君の攻撃力じゃ刺さらないんですよ......
よろしくねーと言いながら、白い子の頭を撫でる。
......あ、やばい。
モチっとした不思議な感触と、滑らかな肌触り。
まるで赤子のほっぺみたいな極上触感......そこに羽毛の感触も追加されてやばい。とにかくヤバい。語彙が死滅した。
――この子たちの抜けた羽毛でお布団作ろう......そう決めた俺であった。
上手に纏まったので皆で朝ご飯タイム。
俺はチャーシューエッグ丼、あんこはビーフジャーキー、ピノちゃんはお餅。
ニューフェイスの鳥ちゃんたちはさっきたらふく食べたので休んでいる。
どんどん俺の日常が潤っていく。
可愛い生き物に囲まれながら過ごせる幸せ。
幸せに浸りながら朝食を済ませて洞窟探索を再開。
先導するのはあんことピノちゃん、その後を白い子が飛びながらついていく。
俺は左肩に黒い子を乗せ、その後ろを着いて行きながら名前を考えていくが、白い子はもう大福としか思えなくなってしまったんだけど、どうしようか......
あー難しい。
一緒に一日行動していけばなんか思いつくかもだし、一旦頭の中をリセットして新しい子のいる探索を楽しもうかね。
フクロウ系って、普段は木に止まり、狙いを定め一気に飛ぶイメージ。
ゆっくり飛んでいるイメージ無かったけど、徒歩のペースに合わせて飛べるのね。この子が特別なのかな?
意外と羽根を広げると大きいし、羽音が全然しない。
今日中に洞窟探索は終わるかなー?
お外を飛び回っているこの子たちも見てみたいなー。
早く外に出たくなったけど、あんことピノちゃんが楽しそうにしてるから、成り行きに任せよう。
奥に何か面白い事があればいいな。
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