第81話 穴掘りと危険物処理

 地下通路をザクザク掘りながら先を進んでいるらしいですねぇ......

 そんなお嬢様とピノちゃんに追いつく為に進んでいく。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ


 掘るスピードはかなり早くて、凄いなぁと素直に思う。

 掘るだけだったら俺でも余裕で出来るんだけど、崩落させないようにかなり気を使う必要がある。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 なのでこういう事で頼れる時は頼っちゃうのが一番良い。楽しそうにやってくれる事が大前提だけど。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 嫌がるものをやらせるとか以ての外だ。


 まぁウッキウキな姿を見ていたいってのが大部分を占めているんだけどね。

 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 大分先に進んでいたみたいで、徒歩だと差が縮まらず早足で追いかけていく。

 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 するとようやく、ムチムチのお尻とフサフサのしっぽがブンブンしているのが見えてきてホッとした。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 気持ちが落ち着いたので、どれくらいすすんだのかを確認する。上の方の気配を探っていくと、もうそろそろ砦の下を通過するみたいだった。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ


 ......ちょっと閃いちゃった事があるから、真下らへんで休憩をとらなきゃ。

 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 それにしてもこんなに早く進めるとは思っていなかったから、ちょっと驚いている。

 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 うちの子は凄いなぁ、天才だなぁ......と、親バカ全開の思考になりながら、お嬢様の後をついていく。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 動き回る事に満足したのか、俺の姿を確認したピノちゃんが俺の胸ポケットに入ってきた。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 いつでも帰れる場所と認定されているのかな?そうだったらすっげぇ嬉しい。

 ずっと入っていてくれてもいいんだよー。

 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 ただチンタラと後ろを着いていくだけなのは勿体ないので、この隙間時間を有効に使っていくとしましょう。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 という事で、酒類やスイーツ類を出していき、それをピノちゃんに冷やしてもらう。

 その中でジン、ウォッカ、ブランデーはキンッキンになるまで冷やしてもらった。


 他の物は冷蔵庫で冷やしたような温度にしてもらう。いやぁ本当に助かります!

 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 今回ピノちゃんに頼んで色々とやってもらった事で、そのスキルの大体の能力がわかった。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 この能力の特徴は、冷やしても何故か凍らないし、温めても沸騰はしない。ㅤㅤㅤㅤㅤ

 氷点下になっているが、刺激を与えても凍ることはなかった。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 そして妙に長時間その温度をキープする事。範囲は30センチくらいしかない激狭さだけど、触れずに温度を......それもかなりのスピードで変えられる。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 一度変化させれば離れても問題はなく、最低でも二時間は温度を保てる。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 あのスキルガチャで手に入れたスキル......名前の割に、どちらもえげつない能力だった。

 俺が手に入れたモノも、やり方によっては、もっと鬼畜な能力を発揮すると考える。

 効果などは要検証なので、今後活用してみようと思っている。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 そんな事を考えていると、いつの間にか砦のある位置を大幅に通過してしまっていた。

 時間的にもちょうどお昼頃だし、目標の半分近くを過ぎたのでここで一旦休憩をとろうと提案する。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 ピノちゃんは了承してくれた。後はお嬢様に確認を取らなきゃ。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 お嬢様に、休憩したいんだけど戻ってこれるー?と伝えると、小さくなって戻ってきてくれた。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 ノリノリで穴掘りをしていたから、少しはグズるかと思っていたけど、そんな事はなかったみたい。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 ご飯をあげた後に、マッサージと称したおさわりタイム。


 あ......いや、うん。

 お疲れ様って気持ちを込めて全身全霊でマッサージはちゃんとしたよ。

 ただちょっと余計なアクションが、合間合間に挟まるだけです。


 ピノちゃんには、なでなでをいっぱいした。今はお嬢様の上でおやすみ中。


 これで食後すぐに穴掘りを再開とはならない。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 そして眠っているので、危険物に誤って触れる心配もない。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ


 さて......、人目に触れる事が極端に少なそうでいて、攻略難易度がそこそこ高くなったこの場所なら、厄介な爆弾を封印できると踏んだ俺です。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ


 そこそこなサイズの岩を収納から取り出して、糸を使って台座っぽく加工していく。


 重要な場所かもしれないよって意味を込めて、こっちだと意味不明だと思われる日本の有名どころの家紋を彫刻していく。


 最後にダンジョンで回収していた宝箱をその上に設置してから、俺の魔力を吸った爆弾......精霊の核を入れる。


 いつになったら魔力がMAX溜まるかわからないし、鑑定してもあやふやな説明で、ちゃんと明記されていない。


 そんな訳で現状では俺以外に触れないという、厄介な爆弾でしかないコレの処理方法をついさっき閃いたワケよ。


 お嬢様やピノちゃんが誤って触れた場合、悔やんでも悔やみきれない。

 どちらも闇魔法を使えるから、何かの間違いで俺の収納へ介入とかできちゃいそう......なので不安の種はしっかりと消しときたいのです。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 何故こんなモノを作成したかは、もしここまで辿りつけちゃったとしても、こんな所にある宝箱は普通に開けちゃうでしょ?

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 俺なら絶対に開けちゃうもん。

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 そして手に取ったが最後......

 この通路が崩壊、ここまで辿り着ける優秀そうなヤツの間引き、爆弾処理完了、ついでに国の武闘派脳筋連中も巻き添え。


 一爆四鳥だね。素晴らしい。

 爆破するのが数十年後である事を祈っております。


 きっと俺が出会った事の無いマトモな精霊だったのだろう精霊の遺品に、深々と一礼をしてからその場を去った。

 危険物扱いしてごめんなさい......と。



 お腹がいっぱいになった後でマッサージをされ、気持ちよく休んでいる天使たちの元へ戻る。

 不安の種が取り除かれて上機嫌になった俺は、贅沢な白玉デザートを食べる事にした。


 用意するのはキンッキンに冷えたブランデーと冷えた白玉のみ。


 器に白玉を入れてブランデーを注ぐだけの簡単なデザートだ。

 本当は梅を漬けたブランデーとか、砂糖水に漬けた白玉とかでもう少し甘く仕上げるんだけど、今日はこれでいい。


 ほんのり甘い白玉の食感と、ブランデーの芳醇な香りと味を楽しみながら、あの子たちが起きるのを待った。

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 ◇◇◇ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 アルコールの強い酒は飲んだなって気分になるから好き。

 酔えないこの身体には、そういう気分になれる物はとても大事なんです。

 とまぁ酒を飲んだぞーって気分になれたので、この休憩はとてもいいモノだった。


 人間側のモノより口径の小さい落とし穴を作成して、あっちの穴と同じ処置をしていく。

 飛べる魔族とかもいるかもしれないから、口径の大きさにはそこまで拘らなかった。

 飲んだ後のひと仕事を終えて戻ってくると、ちょうどいいタイミングだったみたい。


 起きてきたピノちゃんは、俺の胸ポケットに入ってきた。

 お嬢様には、穴掘りまたお願いねーと伝えてハグをする。


 頑張るよ!と張り切りだすお嬢様が、休憩前よりも早いスピードで穴を掘り始めた。


 何度見ても凄いとしか言えない穴掘り。

 これは穴掘りなのか?採掘とかには向かないだろうけど、このスキルは絶対に、技術大国日本でも需要がありすぎると思うわ。


 戻れる訳がないし、戻ろうとも思わないから意味の無い感想だったわ。

 そんな余計な事は考えていないで、地上に出る準備......特に出口の位置を選定しないといけない。


 探知しても詳細な情報まではわからないから、安全でバレにくい場所をどうにかして見つけないと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る