第37話 続やべー物と大規模破壊

 さぁ今日もサクサクと進めていきましょう!


 という事で、おはようのもふもふすべすべを堪能していく。

 ウチの子達は今日も最高の肌ツヤ、毛並みのベストコンディションです!今日もビューティフル&キュート!!



 ちょっと時間がかかったけど、ばっちり準備し終えて出発!






 あぁ......そう。そうきますか。


 意気込んでスタートしたんだけど、75層に降りてすぐにボス部屋に当たる。


 あれれー?おかしいぞー?

 10階層置きにボス部屋じゃなくなったんかな?


 多分知ってるかな?と思って聞いてみたけど、ここより下に居た時のピノちゃんは、生きるのに必死だったから覚えていないそうだ。


 思い出させちゃってごめんね......生きていてくれてほんとにありがとう......と撫でてから突入。







 うわぁ......なんかみっちりしてる。


 体は大人、頭は獣のムキムキ集団がみっちり詰まってる......マッパで拷問具持参のヤツらが......


 ウチの子たちは一瞬嫌そうにしてから、ピノちゃんは内ポケットに、あんこはフードにダイブしていった。逃げたなこの子たち......


 うん、俺も逃げたい。



 逃げちゃダメだ、 逃げちゃダメだ、 逃げちゃダメだ、 逃げちゃダメだ、 逃げちゃダメだ……!


 殺ります!僕が殺ります!!



 ▼獄卒獣

 75階層の守護者達▼



 意気込んでみたけどコイツら暑苦しいしむさ苦しい......もうやだ......



 さっさと終わらせよう。そうしよう。


 ドアを空けて中に入るのと同時に暗黒空間を放つ。今更こっちに気付いて振り向いても手遅れでございます。


 暗黒空間さん行ってらっしゃい。



 削りまくり、そしてギュンギュン吸引していって終わった。嫌な事件だったぜ......



 ドロップは大きな古臭い鍵と宝箱だったので、収納してこの空間から即撤退。


 この空間は精神衛生上よろしくないからね。

 全裸毛皮の化け物のいた空間には居たくない。






 76層に降りてすぐ癒しを求めた。


 あの子たちも嫌だったみたいでめっちゃ甘えてきてくれた。地獄から一瞬で天国へ連れて行ってもらえた。

 ありがとうございますっ!ありがとうございますっ!



 とりあえずボスドロップ宝箱2個とボスドロップ品の確認。




 ▼冥府の鍵

 とある扉を開くための鍵▼



 ▼法の番犬の爪

 法の番犬の鋭く硬い爪

 ナイフや御守りに最適▼



 ......あのキメラは犬扱いだったのか?



 次は宝箱をオープン。


 トロフィーくらいの大きさの天秤と不思議な紐が生えているピラミッドだった。


 なんだこれ?



 ▼運命の天秤

 片方に羽根の乗った秤

 審判を受ける人の毛を乗せ、質問をすれば発動する魔道具

 この質問には嘘偽り、誤魔化しなく答えなければならない

 嘘を吐けば乗せた毛の替りに心臓が抜き取られ秤に乗せられる

 質問に曖昧な返事をしたり、黙秘しても心臓が抜き取られる▼



 あー......あれか、エジプトの壁画みたいヤツのファンタジー版なのか......

 とりあえずエッグいなコレ。



 なんかもう一つもエグそう......見たくないっす。





 ▼裏切り者の揺籃

 所有者の魔力で発動

 魔力で動く紐で全裸に剥き哀れな犠牲者を吊しピラミッドの先端に肛門などから体の重みで沈み込ませる

 最も残酷な拷問具の一種▼




 おぉぉぉぉい!!

 ダメでしょこれ......えぇぇぇぇ......


 ここまでして復讐しようとか、断罪してやろうとか考えた先人達おかしいですよ......



 使う事はきっと無いだろう。きっと。


 なんでこんなに一癖も二癖もあるもんばっか出てくるんだよ......監督!おかしいですよ!



 ファンタジーっちゃファンタジーなんだけどさ......


 なんて言うか俗っぽい......



 もういい、先へ進もう。




 ◇◇◇




 同じような事を続けて79層へと到着。

 どうやらここがピノちゃんの生まれ故郷のようだ。

 ここだよ......こっちに来て......と伝えてきてから、俺から降りて進み出した。



 着いていくとちっちゃい岩場があり、そこの隙間に入ってからヒョコっと顔を出して伝えてきた。


 気付いたらここにいた......と。


 泣いた。えぇ泣きましたよ。


 特異体といっても生まれたてのこの子が生きてくのは相当辛かったろうに......


 隙間から出して優しく撫でてやり、階段の方へ向かった。




 階段へと辿りついたら暗黒空間で作った壁、それに加えてあんこちゃんに水の壁と氷の壁を作ってもらう。


 これで大丈夫だろう。

 この階層のど真ん中に、こっそりと設置しておいた危険物を起爆。





 この闇壁なのか、あんこちゃんの水壁、氷壁のおかげなのかしらないけど振動も音も光も感じなかった。

 思ったより爆発物の威力なかったのかね......名前だけはイカついとかやめてくれ。

 そう心の中でボヤきながら解除して外へ出た。






 湿地帯だった面影など残さずに、全てが破壊されていた。ダンジョンの天井やら壁やら地面やらも全てがぐっちゃぐちゃになってました。


 ......ラスボス倒した後に外へと転移できなかったら削り取って進めばいいか。




 それにしても威力やばすぎねぇか......爆破ポーションEX......多分上の階層にも爆風は行ってると思う。

 さっきは変な事思ってすいませんっした。

 それとこんなもんを店売りするな!俺に押し付けるな!



 まぁここまでやれば完全にこの子は過去を断ち切れたであろう。

 ポカーンとしてるピノちゃんが可愛い。


 さぁ先に進もっか。






 はい。やってまいりました80層。

 ここを終わらせたら今日はお終いにして、ピノちゃんの事をあんこと一緒にガッツリ甘やかそう。



 また降りてきてすぐにボス部屋だった。

 これからずっと5層毎にこんな感じなんだろうな。


 さぁご入場です。





 中にはクソでかいトゲトゲの蛇さんが待っていた。



 マトモそうなボスモンスターは初めて見たな。すっげぇ禍々しいけど。



 ▼アーペプ

 80階層の守護者▼



 うん。わからん。


 しっかり全てを鑑定してほしいわ。きっとポイズンなスネークだと思っている。

 トゲトゲだし黒と紫のハイブリッドだし。




 俺には効かないだろうけど、この子たちの毒耐性はわからないからやっぱり普通には戦えないな。


 開幕暗黒空間で即退場させます......デカ蛇さんごめんなさい。




 ほんとごめんね。


 牙らしきものと鱗、あと宝箱が蛇が居た跡地に出現したので鑑定してみましょう。

 このエリアのボスが蛇だったからピノちゃんが生まれたのかな?



 ▼アーペプの鱗

 夜の闇を象徴するような鱗

 加工の難易度が異常に高い▼



 ▼アーペプの棘

 刺さると全身の毛穴から血を噴いて死ぬ毒を持つ

 解毒するのはほぼ不可能▼



 扱いづらいモンしか出ねぇのかの!!このダンジョンは!!


 宝箱からは......



 は?なんでこんなんが出るの?いや俺は嬉しいんだけどね。


 鑑定してみましょう......



 ▼常夜のスーツ

 光すら掻き消すような闇夜を内包したスーツ

 夜に真価を発揮する

 闇魔法の威力が上昇

 崩属性以外の魔法を無力化する

 闇の魔力を流せば修復され清潔を保てる▼



 すっげぇ良いモンが出た......

 ピーキーすぎる性能のモンしか出てこないから全然期待してなかったわ。



 でもさ......俺はチート野郎、魔法や魔力もチート、コレもチート。



 トリプル役満ですね。運を使い果たしてなきゃいいけど......



 このダンジョンをクリアした時に出るアイテムを見るのが怖くなってきた。




 このチートスーツ、艶が有るようにも無いようにも見える黒色がキレイなスーツでテンション上がる。


 不思議な感じの黒色で気に入った。


 外に出たらコレ着てギルドに行こう。




 よし!全部終わった!終わったぞ!


 色々あって疲れたであろうピノちゃんを甘やかそう。


 お嬢様もノリ気でテンション上がっている。その姿も可愛いよ!



 まず俺は煮玉子を召喚し、4分割した後に皿に一つずつ乗せていく。


 お嬢様にはビーフジャーキーをご用意させていただきました。


 俺は卵見てたらTKGが食べたくなったのでレンチンするパックご飯と卵と醤油を用意した。



 俺の手のひらにピノちゃんを乗せ、空いてる方の手で煮玉子をつまみ口に運んであげる。


 ハグハグと一生懸命食べてる姿が可愛い。1個分食べ終えてお腹いっぱいになったみたい。

 手のひらサイズなのに卵1個収納出来るピノちゃんの胃袋って不思議。



 お嬢様のふかふかな毛の上に乗せてあげる。

 ご飯をあげ終わるのを待っていたあんこにビーフジャーキーをつまみ口に運んであげる。

 お姉ちゃんは気配りできて偉いね♪となでなで。


 ピノちゃんの方が実は歳上なんだけどそこは気にしない。


 御二方とも満足されたので俺も食べる事に。



 久しぶりに食べるTKGは美味しかった。

 ......また食べよう。食に不自由しないこの万能能力ほんとありがとう!!


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る