第38話 ダンジョンからの嫌がらせとサバト

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 ※拷問器具を使用する描写がありますので、苦手な方はご注意ください。


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 翌朝、擽ったさを感じて目を開けると、ピノちゃんが俺の指から魔力をチューチューしていた。ふふふ......可愛いなぁ♪



 うんうん。そのまま遠慮なく吸っちゃってくださいな!



 しばらく眺めていたら俺が起きたのに気付いたみたいで、舌でぺろぺろしてくれた。

 あんこの舌とはまた違った感触で幸せです。


 おはようとなでなでをしながらお嬢様が起きるのを一緒に待つ。



 まだ寝ているお嬢様を2人で弄って遊んだりした。尻尾の上に乗って尻尾っぽく擬態してる姿に萌えた。


 今度アラクネさん達に、この子用のリボン作ってもらおう!



 そんな事をしてたら起きちゃったあんこをもふもふしてからご飯を食べて出発。


 黒スーツ、アラクネ産のシャツとコートを着る。全ての着心地が素晴らしい。

 革靴でダンジョンはなんか違うと思いブーツを履いた。



 このエリアからはオーソドックスな洞窟タイプだ。迷路みたいに入り組んでるけど。



 ダンジョン内の壁等も破壊出来るのが昨日わかったので、最悪めんどくさくなったりしたら穴を開けて直進すればいいだろう......と脳筋な思考になる。



 とりあえず今は普通の冒険者ごっこを楽しもう。





 あ、この階層は隠し部屋がある!

 やべー物が見つかる可能性が高いが、いい物見つかる可能性もあるのでテンションが上がる。



 階段方向にも近くてお得だな。

 最も有名なRPGのBGMを口ずさみながらダンジョン内を進む。





 コウモリのむれ が あらわれた▽


 ピノは メ〇ゾーマを となえた▽


 コウモリAに 999 のダメージをあたえた▽


 コウモリAを たおした▽


 あんこは マ〇ャドを となえた▽


 コウモリBに 999 のダメージをあたえた▽


 コウモリBを たおした▽


 コウモリCに 999 のダメージをあたえた▽


 コウモリCを たおした▽



 うん。こんな感じにログが出ているであろう。目の前ではリアルにそんな攻撃をしてるあんこ達がいるけど。


 アホな事を考えながら進んで行き、無事隠し部屋の前へ到着。



 全然違和感を感じられない壁、偶然触れる事のない絶妙な高さ、偶然攻撃が当たることの無い様に置かれた岩の陰にスイッチが隠されている......絶対気付く人いねぇよこんなん!!



 中に入ってみるとオルトロスらしき双頭のイカついわんこ......背中に数匹、尻尾に一匹蛇が生えている......



 なかなか不愉快なモンスターだな。わんこと蛇というウチの二大エンジェルの個性をいいとこ取りしたつもりになってデカい顔をしている......

 容姿は言うまでもなく醜悪。ウチの子達は嫌そうな顔をしている......



 明王さんに躾をしてもらいましょう。





 やせいのオルトロスがとびだしてきた!


 行けっ!明王さん!



 オルトロスのいかく!



 明王さんには効果がなかった!



 明王さんのたたきつける!



 いちげきひっさつ!



 オルトロスは倒れた!



 ドロップ品の毛皮を手のひらに乗せて明王さんが戻ってきた。ありがとね!



 宝箱オープンですよ!いい物出てこいや!!




 は!?


 いやいやいやいやいや............


 すぅーーー.........はぁぁぁぁぁ............


 一度宝箱を閉じて心を落ち着かせよう。




 見覚えのある......いや、とても馴染み深いモノがそこにはあった気がする。

 このダンジョンは俺の精神を破壊しようとしてるの?嫌がらせ成分が多すぎだと思うの。


 宝箱を前にもう一度深呼吸をし、気持ちを落ち着かせもう一度開けてみる......




 違う......これは夢だ......見た目は似てるだけで、全くの別物かもしれない。




 なんでこんなのが宝箱に入っているんだよ!萎びたり腐ったりするだろ?ナマモノを保存できる環境じゃないだろ宝箱さんよ!!

 確かに高価なものだろうけど......


 ふぅ......落ち着こう。


 鑑定さんお願いします。一縷の望みを託して鑑定した。



 ▼魔樹の実✕3

 栄養価が高く魔力増加も出来る万能果実

 見た目は完璧、味は......▼





 ハハッ






 収納したし次の階層に向かおうか。

 ん?どうしたのかって?心配いらないよ俺は元気だよ。




 やっぱりちょっと抱っこさせて。


 このまま進もう?ありがとう。あんこもピノちゃんも大好きだよ。







 ◇◇◇








 耳に強烈な冷気をぶつけられた。



 あれ?ここどこ?ボス部屋の前?



 何があったのかしら......全然思い出せない。


 心配したんだから!と怒られてしまった......


 何があったか聞いてみたら


 ・無表情、無言で撫でられて悲しかった


 ・ずっと無言で敵を倒しながら走ってた


 ・なんか怖かったから冷たい空気ぶつけた




 って言われました。ごめんなさい......

 ピノちゃんにはシャーッてされました。とても悲しかったです......





 こうなる前に何があったんだっけ?

 ......やばい全然思い出せない。思い出さない方がいいよって脳が判断したのだろうか。



 わかんないなら忘れればいい。

 何も無かった、それでいいのさ。うん、切り替えよう!



 心も頭も体も全部が疲れているのだろう。

 ガッツリ糖分を摂取して休憩をしっかり取れば元気になれるんだよ。


 気を使わせちゃってごめんね......と伝えて、練乳たっぷりのミルクを天使とピノちゃんに与えた。

 ついでにおねだりされたので、好物のジャーキーと煮卵もあげとく。合わなそうだけど関係ないんだと思う。







 俺は抹茶のシフォンケーキをホールで召喚し、ホイップクリームとこしあんとバターを添える。




 甘い物はいいねぇ......やけ食いは心を潤してくれるよ......



 半分は普通にこしあん&ホイップで食べる。

 抹茶の爽やかな香りと風味が餡子とホイップクリームにベストマッチだ。


 残り半分はバターを塗ったフライパンでシフォンケーキにバターの風味を染み込ませ、同時に焼き目を付ける。


 サクッとした外の食感と、中のふわふわ感にバターの風味とコクがあわさって至福だ。

 ホイップを追加してもこしあんを追加しても激アツでございます。


 食後にコーヒーとタバコをキめたらだいぶ落ち着いたと思う。



 たぶんもうマトモになったので、感謝と謝罪の意味を込めて構い倒す!と意気込んであんことピノを呼んでみた。



 あんこは飛びついてきてくれた。大きいサイズで。


 傍から見ると大型犬に襲われている......



 そんな感じにみえるけど大型犬にじゃれつかれるのってやってみると嬉しいよね。おじいちゃんとかがソレをされているとちょっと心配になるけど。



 ピノちゃんはさっきの俺が怖かったらしく、警戒しながら近づいてきた。

 たまにぶっ壊れるので早く慣れて欲しい。ごめんね。



 今日はこのまま触れ合いタイムにしてリフレッシュしよう。




 頼もしいウチの子たちがいればもう何も怖くない。私、独りぼっちじゃないもの!





 また変なテンションになってたけど、もふもふとすべすべのコラボを味わい、やっと普通のテンションに落ち着く。



 今日は結構いい時間だし、ここを終わらせて休むことにしようか。


 さぁ行こうか。もう大丈夫だから心配しないで♪優しい子たちで俺は嬉しいよ。






 ボス部屋の扉を開けたら乱交パーティが行われていた。



 ピノちゃんは胸ポケットに入っててね。

 あんこはコートの内側に居てね、そして絶対に顔を出さないでね。と伝え糸で固定して、しがみついてもらった。



 せっかく精神が落ち着いたのに......

 さすがにイラッとしたので、とりあえずここで心の闇を晴らすことにします。えぇ全部撲殺します。


 女型でもモンスターだから大丈夫。忌避感はない。


 ▼バフォメット

 85階層の守護者▼


 ▼ウィッチ

 バフォメットの信者▼


 ▼メイジ

 バフォメットの信者▼



【神体強化】を発動し、手前から殺っていく。


 ローキックをかましたら足が飛んでいった。飛んでいった足がアヘッてる女に刺さった。


 ミドルキックをかましたら、だるま落としみたいに胴が飛んでいった。飛んでいった胴が賢者タイムだろう男に当たった。


 ハイキックをかますと頭が飛んでいって、今だにヤるのに夢中なおっさんモンスターにめり込んだ。クソがっ!


 蹴り技は飛んでくなぁ......



 殴れば破裂し汚い花火が上がる。

 発勁を試してみたら時間差で汚い花火になった。

 アッパーをしたら頭部が天井のシミになった。


 投げれば周りを巻き込みながら壁のシミに。床に叩きつけたら血と臓物のカーペットが出来上がる。


 殴りも蹴りも、投げ技もどっちにしろ全て汚いな。





 3分程でバフォメット一体だけが残った。

 あとはお前だけだ。死ね変態ヤギ野郎!




 両肘、両膝を手刀で落とし、ヤギの角をひっこ抜き、肘膝の断面を糸で止血。


 とりあえず苦しんで苦しんで......苦しみ抜いてから逝けや!



 裏切り者の揺籃を収納から出して、魔力を注いでいく。



 サバトの〆に君の苦悶の声を捧げようじゃないか。



 あぁー......こんな感じになるのね......


 M字開脚で固定されて吊り上げられてピラミッドの頂点の真上にセット......





 うわっエグッ......ヤツは両性具有みたいで、女性器の部分にピラミッドの先端が......


 ヤツは体が重いみたいで結構早く沈んでいく。



 叫び声をあげ、メリメリブチブチと鳴るバフォメット。ピラミッドが半分刺さったところでドロップ品と宝箱になった。



 その場に残った角と錫杖っぽいのと宝箱をしまい、不快な85階層を速攻で後にした。


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