第34話 お友達とダンジョン侵略
ウチの子達には、常に楽しそうにしていて欲しい。なので今後の展開について考える。
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現状は囮にされて、ダンジョンに置き去りにされると言う、よく見るような展開。
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このまますぐに帰ってもインパクトは無い。
完全に俺らは死んだ......そう思わせておいて、しれっと帰還する方がダメージがあるのではないか。
その後ヤツらに、手を出したらイケない相手に手を出しちゃったと思い知らせるとしよう。
どうせなら攻略してきたぞ!!って、そんなドデカいオマケを持って帰ってやろうと思っている。
晴れてウチの子になった白蛇ちゃん。
そんな子を襲っていたモンスター共を、攻略ついでに殲滅してやろう。
それによる副次効果で、ダンジョンを一緒に攻略することにより、白蛇ちゃんと俺らが仲良くなれるかもだし、ちゃんと守ってもらえると安心してくれたらなぁって思っている。
お嬢様も、俺や白蛇ちゃんに頼られるのが嬉しいみたいだし、頑張るから任せて!と鼻をふんふんさせている。可愛い。
さぁ最難関だ......
この子の名前をどうしようか。
宝石っぽいのから取るか、特性から取るか、白蛇ってのを取るか......
赤と紫の混ざったような色......
んー難しいな......ワインっぽいかな......?
白蛇......蛇神......
それ系だと、この子の可愛さには合わない......
次は転生......そしてアルビノ......
あんま可愛くないな......
そうすると何がいいんだろ。
あー、赤ワインであれに似たような色味を見た事あるなぁ......
眩しいかもだけどちょっと我慢して。と伝え、宝石の部分にライトを当てて観察してみる。
クリッとした赤い瞳で、何?ってこっちを見てくる白蛇ちゃんがやばい。可愛い。
お礼と謝罪をしてから、ライトを当てて色味をちゃんと確認。その後はワインを色々召喚して似た色を探す。
その中で最も色が似ているワインを見つけた。名前も可愛くて似合いそう。
よーしおいでー♪白蛇ちゃんの名前を決めたよ!気に入ってくれるといいな。
そのワインから名前を貰って、白蛇ちゃんに名前を付けた。
宝石がめっちゃ輝いてる......辛くない?大丈夫?
収まったよね?時間差でまた光り出すとかやめてくれよ。
......さ、さぁステータスを見せて貰いましょう。
▼ピノ
煌魔蛇 1歳
レベル63 魔力96,374,500/96,374,500
スキル:【炎魔法】【幻影煌石】【隠密】【魔威圧】【輪廻】【幸運】
備考:白く輝く表皮と額に煌めく宝石が美しい白蛇
イレギュラーな存在であり、偶然ダンジョン内に発生した
好奇心旺盛だったが環境が厳しく、慎重で臆病な性格になる
額の宝石が幻影を生み出す役割と魔力制御を担っている
寒いのは苦手でブランケットとお風呂がお気に入り▼
うん。なんかまた種族名がおかしい。
そんでレベル高いな......頑張ってたんだね。
あの幻は額の宝石から出てたみたいだね。
とってもチャーミングだよ。
あと炎魔法って......
火魔法じゃあないのか。さすがイレギュラー。
まぁいいか......ウチの子は優秀なのである!
進化して強くなったっぽいし、この分ならダンジョン攻略をしても問題は無さそう。
問題は、この階層から順に下へと下がって行くか、落とし穴から落下してショートカットの2択だけどどうしようか......
んー......
ちまちま降りるのは面倒だから落ちるか!
帰りには転移できる確証もないし、短縮できるなら短縮するに越したことはないからね。
糸を使ってあの世界で有名な蜘蛛男の真似をして降りていこう!
ウチの子達は糸で固定して落下防止。安全対策はきっちりします!
あ、うん。
準備が出来て今穴の前にいるけど、落ちても大丈夫ってわかっていても怖いわ。
玉がヒュンッてする......
はぁ、覚悟を決めて落下しましょうか!
男は度胸だ!
◇◇◇
ただいま落下中です。
この穴は一直線の穴で、10階層分くらいの高さだと思う。ガッツリショトカ出来る場所を作ってあるとか......ダンジョンって不思議だわぁ。
スピードは少し殺している。色々と間に合わずに地面とキスなんてしたくない。
結構な高さを落ちてきて、ようやく地面が見えてくる。着地の用意を開始だ。
糸を壁に突き刺しながら落下のエネルギーを減らしていく......あの男みたいにはくっつかない糸なので壁を削りながら降りていく。
結構反動がきて気持ち悪くなったけど、フワッと華麗に着地できた。
異世界版のスパイダー野郎に、きっと俺はなれたと思う。
どうやらこれはエリアの端っこの方の縦穴だったらしく、完全にショートカット用だったんだろうな......と印象を受けた。
ピノはもっと下の階層から来そうで、この階層で縦穴見つけた時は嬉しかったらしい。
ザッと探知してみたけど、宝箱も隠し部屋もなかったので、下への階段に向けて進んでいく。
ここは一先ず43層と思っておこう。落ちてきた感覚によるものだから詳しくは知らん。
◇◇◇
ソロ攻略初日は3層進んで休息をとり、現在二日目。
3層分降りたところで発見があった。ダンジョンにも、ウチの子たちにも。
合計6層降りたところで、30層で見たのと同じ様な
ボス部屋っぽいの発見。
50層かな?だとすると落ちてきたとこは44層だったらしい。
この層よりも、まだまだ下の方からピノは来たと言ってきた。
どうやってこの扉を抜けたのだろうか?
ん?普通に開いて抜けれたと......
そしてボスも居なかったらしい。
魔物の侵入には寛容なダンジョンさん。
道中で見つけた宝箱の中身は、しょっぱい効果の道具だったので収納行き。
今更微増とか小アップとかいらない。
もっと下に行けばいいの見つかるのかな?
戦いの面ではウチの子無双。
いやぁほんともうね......焦土と凍土が出来上がる。
あの子達は減った分の魔力を俺からチューチューして回復。そしてまた魔法を連発して楽しそう。
そして俺はチューチューされて幸せになる。素晴らしい永久機関だぜ、全くよぉ......。
食事面ではお嬢様は相変わらずビーフジャーキーがお好きで、ピノは煮玉子(完熟)がお気に入りになった。半熟には見向きもしなかった......半熟おいしいのに......
丸呑みしたりはせずに、一生懸命ハグハグしている姿はプリティーなんです。
キレイな白色が醤油色に染まらないでね。
みかんの食いすぎで指が黄色くなるみたいな。
移動する時普段は俺のシャツの胸ポケットに収まっており、定位置のお嬢様と戯れているので俺は胸元がとても幸せです。
そして思いつきで、蛇と言えば日本酒!と考えて与えてみたけど全然興味は示さなくて残念でした。
もっと成長したらお酒を一緒に飲みたいなと思っている。
まぁそんな事がありました。
ボス部屋に入る前に休憩しながらの回想をしてみた俺です。
ボス戦はウチの子たちから、頑張って!とエールを貰ってしまったので張り切って殺ります!!
さぁレッツボス戦!
扉を開けて中に入ると全身鎧を装備した巨人が大剣を携えて佇んでいた。
とりあえず鑑定を......
▼イリーガルデュラハン
50層の守護者▼
うーわ、イカつい名前だなぁ......
とりあえず近接戦闘してみるから、危なくないようにあんことピノはここで見ててね。
では行ってくりゅ。
ノーガードで近付いていくとナメられてると思ったのか、鋭い踏み込みから横薙ぎの一撃を出してきた......
普通初撃は切り下ろしじゃないの?
魔力を注ぎ込んだ闇糸を、複数本縒り合わせたものでガードをしてみる。
問題なく大剣を防げた。
切り下ろしならば、もしこれがダメでも楽に避けられるので1本で試せたけど、横薙ぎは防げなかった場合怖かったので安全策。
なので切り下ろしを全力でしてくるまで、舐めプ全開でヤツを煽ってみる。
俺が舐め腐ってるのに気付いたのか、怒った様子を見せる首取れ鎧。だんだん大振りになってきた。
ようやく俺の望み通り、全力の振り下ろしが来たので、避ける体勢を整えながら糸1本でガードしてみた。
かなり強度あるなぁ......切れる気配ないわ。
前に骨喰さんで試した時は豆腐だったのに......
かっこいいとこをウチの子に見せたいので、闇糸に見かけ倒しの黒い火を纏わせてから縦に一閃。
問題なくデュラハンが真ん中で分割されたので、これにて戦闘終了。
ボスの残骸は消え、小さくなったボスの使っていた剣と宝箱が残った。
宝箱の中からは小瓶が出てくる。
......うん。タナトスって名前のダンジョンらしい物が出た。
▼冥府の雫
振りかけると死亡から48時間以内の生物の魂を冥府から呼び戻し蘇生させる
魂を呼び戻すだけで傷や病気は治らない
ちゃんとした措置をしておかなければ蘇生させてもすぐ死亡する▼
▼リーガルブレイド
違法な行いをしている者をこの剣で斬れば、相手に様々な悪効果を付与する
正当な者を理由なく斬ればダメージは自分に返ってくる
イリーガルな騎士が持つ剣がこれでよかったのだろうか▼
使い所が難しそうな蘇生アイテムと、悪特攻の付いた剣。
強力だけど使い方を選ぶなぁ......
ちょっとげんなりした俺だけれども、速攻で気分を切り替え、両手を広げて愛しい子に向かって行く。
ご機嫌なお嬢様と、喜んでるピノちゃん。
さぁ早く!俺を癒してください!
腕の中へと飛び込んできたあんことピノに癒されて、50層が終了。
ここで終わる気配が全然無いので、100層まであるっぽいわぁ......
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