終章 ゲームエンド
プロローグ
「あらあら。このままだと、完全勝利になっちゃうわねぇ」
その事で、女神ンディアが得意満面気に毒を吐く
まあこれは仕方がない。
本来はダンジョン攻略パーティーが、
攻略レベルのパーティーが2つ協力したのなら、そりゃボコボコにされてしまうだろう。
「あ、終わったわね。ふふふ、勝っちゃってごめんなさいねぇ」
ンディアがムカつくドヤ顔を向けて来る。
イラっとしたので、拳でその顔面を粉砕してやろうかとも思ったが、止めて置く。
ゲームに負けた俺が、まるで癇癪を起したみたいになってしまうからな。
――そもそも、まだゲームは終わっていない。
女神ンディアは気づいていない様だが、ドロップが発生した瞬間、彼女が生み出した人形――リリアの瞳に歓喜の色が浮かんだ事を俺は見逃さなかった。
彼女はアドルに心酔しているからな。
間違いなく女神と対立する筈だ。
ならばまだ、あれを使った逆転の芽はある。
「まあいい約束通り、お前を復活させてやる」
俺は自身の中にある女神ンディアの部分を切り取り、彼女の肉体を復活させる。
その際力が少々低下してしまったが、まあ誤差だ。
かつてはンディアを殺し、その力を取り込んだ事で神になった俺だが、その後いくつもの世界で神を打ち倒し力を増大させて来た。
今更彼女の分の力を失ったからと言って、大した影響はない。
復活したンディアの肉体が、今彼女が支配しているフィーナと呼ばれる女性の体に吸い込まれていく。
「そのままでいるのか?」
「ええ、その方が面白いでしょ?あの子がどんな風に反応するのか、楽しみだわ」
相変わらず性根の腐った女だ。
まあ此方もあまり人の事を言えた性格ではない自覚はあるが、それでもこいつよりはマシだと断言できる。
少なくとも俺は、ゲームをクリアーした者達にはきちんとクリア報酬を用意するからな。
「じゃあフィナーレに向かうわね」
「好きにしろ」
彼女は月と繋がるゲートを生み出し、その中に消える。
月の方に意識を向けると、無駄にピカピカと光り輝くンディアの姿が見えた。
相変わらず、派手好きな女だ。
昔の事を思い出す。
異世界を使ってゲームを楽しんでいた時の事だ。
ラスボスだった俺と、勇者達との戦い。
そこにンディアは今みたいに輝きながら派手に登場した。
そして俺の力を半分奪って行ったのだ。
あの時は本気でムカついた物である。
「ふ、まあ結局は油断しきった奴を俺が殺してやった訳だがな」
リリアが例の金属を、スキルに収納するのが見えた。
ンディアは自分に酔いしれ全身から強い光を放っているので、その様子には気づいていない。
「さて……あのリリアという人形がどう動くのか。期待させて貰うとしようか」
楽しみだ。
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