第72話 どんがらがっちゃんちゃーん

その数年後・・・・


バイク屋さんの知り合いで、自動車整備工場を持っている人が

XL500のエンジンを積んだ(と言うか、現物はXL500+CB250RS/2)

CB500RS(もちろん、250ナンバー)を、椿ラインに持ち込んで飛ばしていた。


トルクがありすぎて、滑って上手く走れないようだった。


ギアを入れて、アクセルを開くと、テールがつーるつる・・・。

椿ラインは、狭いコーナーの連続なので。

ダート・トラックレースみたいな感じに走っていた。


この人は、後に改造モデルガンで警察に捕まって、以後消息不明。


こういう、ちょっとヤバイ人も結構居たのが、あの頃の峠だった。



俺は、と言うと・・・この頃はXV750Eに乗っていた。

ツーリングスポーツ、とはいえ

Vツイン、シングル並みに幅は狭い。

コーナーは無敵だった。


モノクロス・サスペンションは猫足で、最初のRZ250のようだった。


それでトルクは6kg-mもある。


椿ラインみたいな、狭いところではとても速かった。


コーナーが来る。


ひょい、と寝かせて。アクセルをぐい。

テールが出てくれる。


フレームが、今で言うピボットレスなので

上手く逃げてくれる。


ツーリングバイクだから、そんなに飛ばさなくても面白かった。


214kgと軽い。大柄な車体で


ととととと・・・・と。どこまでも走れそうだった。





たまーに、このCB500RS(?)に追いつく事もあった。

スーパートラップで派手な排気音、スライドしながら走ってるけど


あんまり、速いわけではなかったらしい(そりゃそうだ)。


いくら、警官とは言え・・・250ccか500かは見れば解る。



椿ラインは、結構バイクが一杯来ていて。

でも、観光バスも走るので良く事故があった。


観光バスは、大きいので対向車線にはみ出ないと曲がれない。

そこに・・・125ccとかが突っ込んできて、当たる(^^)。



大観山から見て、二つ目のカーブが

崖で、ガードレールはあるが


時々、バイクが落ちて(笑)。拾いに行ってる人もいた。


お大事に(笑)。




この大観山、峠族の溜まり場になっていて・・・・。

マックスターンとか、そういう事をして。


いつだったか、Z400GPでそれをしていた奴がいて。


「よくやるなぁ」と、俺は見ていて(この日はRZVで来ていた)。


GPの彼は、棹立ちウィリー。  ・・・と言うより、制御不能になっている(笑)。


マックスターンの後、後輪がグリップし、前輪ブレーキが離れた、らしい。


パーキングを横切って。


すってんころりん、すってんてん。



バイクはぐちゃぐちゃ(笑)。


本人はすたっ、と着地して。



誰かが言った「10.0!」「ウルトラC!」 明るい連中である。





マックスターンと言うと、同じ事が

青森の、奥入瀬駐車場でもあった。


俺は、車だった。この日は、友人のカリーナGTで来ていた。



だーれもいない駐車場で。マックスターン、ではないが

前輪を押さえて、でも、思いっきりが悪いので

後輪が滑らない。


まあ、ZZ-R1100である。勿体無いんだろう。



俺は、腕を引っ張るジェスチャーをした。


そしたら、彼は・・・ハンドルを引っ張り上げて。


ウィリー・・・。


だが、狭いパーキング。行く手は崖(^^)。


左手がハンドルから離れた。 (!)


がちゃん。


前輪がフルボトム。勢いで前転。




どんがらがっちゃんちゃーん(^^)。



「おれゃ、しらねーよ」と。俺は「寅さん」のオイちゃんになって


とととと・・・と、そこから逃げた。


俺のせいじゃないよーん。

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