第44話 ブラック商会(^^;

今日の日記


[A商会]




で、このブラックバードくん(ヘルメットを取ったら、ごく普通の若者だった。

俺よりも一回りの年下の割に趣味が渋いので、ちょっと驚いたが)



RZVの事を雑誌で読んで興味を持った、とか...

乗ってみるかい、と言うと喜んで頷いたので

俺たちはマシンを交換して逆方向へと走った。



ブラックバードに乗ってみて驚いたのは、大きくて重いと言う事を

走り出すと忘れてしまう、と言う事で

これも、昔乗っていたCBX750Fにそっくりだ。

ちょっと重心が高い目で、フロントがくいくいと回り込むあたりも同じ。


以外なほどクイックで、コーナーに入っても危なげなく

どこくらい回り込むかが簡単に掴める。

ので、俺が乗った場合だとなんの苦労もなくRZVよりも早く走れてしまう。



これが最新のマシンなんだろうな、と思った。


試しにコーナーで積極的にステアを切ってみると、さすがにRZVのようには

回り込みはしないが、強靱なフレームはそれなりに反応し、そこそこ楽しく回れたから

まあ、面白かった。




ブラックバードくんは、と言うと、RZVの乗りにくさに驚いていたが

音と振動、雰囲気が楽しいですね、と言っていた。



でも、自分で買うのは少し考える、と..(笑)


見ると聞くとは大違い、と言う事だろう。


部品ないし、状態の悪い中古車が多いから止めといた方がいいよ

とだけは言っておいたが....




後で聞くと、このブラックバードくん、大昔に俺が居たあのA商会で

バイク買った事もある、との事で


俺がそこに居た、と言ったら、あそこはヒドイですよね、と憤慨していた。(笑)



それは正しい(笑)



どうヒドイか、と言うと.....



いつだったか、ブレーキパッドの交換を入ったばっかの店員にやらせて

(この店員は整備士ではない)。



合わせのブレーキキャリパの結合ボルトを外してパッドを交換しようとして(笑、

昔のバイクは細いボルトで止まってるのが多かった)



ブレーキフルードがドバァ(笑)....とか。



カブの新品バッテリー補充電を、これまた新人に頼んで(こいつは整備士だが)

ブリーザーのゴムキャップを外さずに彼、希硫酸を注いでバッテリー液のフィラーキャップを閉めた(笑)



バッテリーは風船みたいに膨らんで....(爆)






とか。





一番ヒドカッタのは、社員個人のバイクと同じ型のバイクが修理に入ってくると、

自分のバイクのスペアパーツを拝借して、それを客に請求する事だった。


例:RZVだと初期型イグナイタが欲しい1GGに乗ってる社員がいた、とする。

51Xのお客がエンジン不調で修理とか入ってくると、そのパーツが不良、と言う事にして

拝借、ちゃっかり自分のバイクに付けてしまう。んで、金払うのは客....



こんな商売をしていたから、このA商会は非常に評判が悪く、

なぜか親類縁者に事故死が多いと言う不気味な会社であった。


ちなみにそのRZVに盗んだイグナイタを付けていた社員だが、通勤途中に大事故を起こし、

RZVもろとも昇天した、との事で......



いやはや、なんとも。



悪い事はしない方がよさそう(笑)


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