第2話 一月一日 お引っ越し(後編)
一定間隔で、案内板の様な装置が並んでいたりする。
そう言えば、今日は一月一日。
つい先ほど、転入の手続き時に、いくつかした質問の答えに付け加えて、教えてくれた事なのだけれど。
それでも、一応新しい年を迎えるという事で一二月三一日の夜から、
…いや、人じゃないな。路上の清掃を行う[タウンキーパー]と呼ばれるアンドロイドだとか言ってたな。役場の人。
実際、身長が一三〇センチくらいしかない
それらを
「
つい、声を
「ありがとう。きょうは とくべつなひだから がんばるね」
にっこり笑って答えてくれた。……かわいい
じゃなくて!いや、これ機械じゃないだろ?受け答え、自然すぎるよ?
「まいとし、いちねんのはじまりのひだけは おいわいだから ごみをどうろにちらしてもいいことになってるんだよ?おねえさんきょうひっこしてきたひとでしょ?ふだんはごみをぽいぽいするとおこられちゃうからきをつけてね?」
色々混乱していると
「こんにちはー、アリスちゃん 今日はお仕事が大変ねー」
背後から声がした。名前そのまんまかよ。
「こんにちはー ゆりかちゃん きょうはがんばるよー」
背後からの声の主を
人間か?これ…
「ゆりかちゃんはにんげんのひとですよ?」
ガバッと掃除機を持った女の子に振り返る。
私の疑問に対する
「わたしはゆりかちゃんに[ありす]というなまえをもらった[たうんきーぱー]です。よろしくね」
「いや中の人いるでしょ?中の人。自動機械のする受け答えじゃないよ?」
思わず
「このおねえさんはきょうひっこしてきた[まき かのこ]さんです。こうとうぶのいちねんせいですよ」
おいーっ!個人情報ダダ
「ユリカだよー。私も今年から高等部。よろしくねー?」
「同級!? って、
ユリカと名乗る女の子の自己紹介にまた叫んでしまった。マジか?その体型で一五歳?一二,三歳にしか見えんぞ?
「いーよもーなれてるしー 一五だよこれでもー」
ごめんなさい。
でもなんか
で、その後、アリスというタウンキーパーと別れ、なぜかユリカちゃんと並んで歩いている。
「[ひまわり]ブロックの学生アパートに入るんだね。私[なでしこ]ブロックに住んでるの。」
この街の住民居住区って花の名前なんだな。
[ひまわり]と[なでしこ]は隣同士のブロックだったよな? 確か。
「さっきの子って、ほんとに機械なの?」
どうにも
「機械じゃあないかなー。人工生命体って言った方が近いかもー。金属質の
人じゃん。機械じゃないじゃん。
「私の名前を知っていたのは何で?」
「中央のデータバンクと
「……居住管理の担当、
恐る恐るという感じでユリカが聞いてきた。転入手続きの人かな? だったら…
「んー? 確か…、
担当の人を思い出しつつ答えると、
「あぅわー…レマちゃんかー。こっちに
頭を
なんか問題有りっぽいです。いいのか? 役人がそんなんで。
「知ってる人?」
と
「友達のお姉ちゃん。」
という答え。続けて、
「時々すーごく投げやりで、
ぐったりとして答えてくれた。
そういえば詳しい事はパンフレットをとか言ってた…なんとなく
「すみませんが色々と教えて下さい。」
色々と危機感を
お昼も近いので、食事をする事に。
おすすめのファミリーレストランへ案内してもらって食事。
その他、とりあえず必要そうな近場の各種お店やら施設やらを案内してもらい、ユリカちゃんと携帯端末の番号交換。
で、明日また会う約束をしてから、ここでの生活拠点になる学生寮の一室へと向かう。
ふつーに、アパート。
これから何年か生活する事になる部屋に入って、またまたびっくりした。
ひろい! いや、これ普通に家族で生活できるよね! ダイニングとキッチンが
バスルームと化粧室付き? 誰が掃除するの? しかも内装新品になってません?
もしかしてシェアルームか何かだった?
もう一枚名札が付く
再確認のため、もらった玄関の
マジかー。
この街には、転入手続きをしてから びっくりの連続だったしすっごく
荷物の確認だけしたら休もう。
まだ一六時にもなってないけど。
荷物はどこだ?運送業者の人、小部屋に入れてくれたと聞いたんだけど、あぁ、押し入れみたいな
扉を開けてへたり込む私。
うん。これは小部屋じゃないよね。小部屋じゃない。
充分六畳間。窓がないけどな。いわゆる
こんな住居を学生に
学園初日の五日までにユリカちゃんに
今日はもう考えるのやめた。
おやすみなさい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます