第12話
「お兄様、なぜあんなにも殿下に高圧的な態度を?
もちろん、我が家と王家の間に確執ができてしまったのは確かですが、殿下は私たちにとっても弟のような存在ですよ。」
レオンハルト殿下がお帰りになられてから、私はお兄様に気になっていたことを聞いてみました。
すると、お兄様は少し深刻そうな顔をして答えました。
「別に、王家との確執は気にしていないさ。この前の婚約破棄はバカ王子が暴走してやっただけのことだからね。」
「ではなぜ?」
「私はいままで第2王子殿下のことを弟のように思ったことはないよ。もちろん、遊びに来たりすれば仲良くはしていたけどね。
それに、殿下にとってローゼがただのお姉ちゃんならね。」
「どういう……」
「とりあえず、夕食の時間だよ。殿下も帰られたことだし、そろそろ中に入ろう。」
「はい。」
お兄様が何を考えているのかは分かりませんが、何か考えがあるような様子でした。
それを聞こうとすると、はぐらかすように話題を変えたので、私もそれ以上は聞くつもりはありません。
我が家では出来る限り、家族揃って食事をします。もちろん、例外もありますが。
「今日は、レオンハルト殿下が来ていたようだな。」
「はい、私とローゼで対応しました。
まあ、特に用事があったわけではなかったようなので話をして帰られましたが。」
「そうか、ならいい。」
「ところで父上、縁談についてはどうなさるおつもりですか?」
「ああ、それについては今調査中だ。相手はうちよりも高位だ。そう簡単には断れん。
ローゼも断る方向でいいんだよな?」
「はい、よろしくお願いします。」
「うんうん、ローゼはずーっとウチにいるんだよ。」
「ふふふ、ホントに兄弟仲がいいのね。」
私たちの食事はとても楽しいものです。家族揃ってお話をしながら食事をする。家族団欒と言えるものです。
しかし、最近は多くの縁談に頭を悩ませているのです。
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