第5話 2人への罰

「では、判決を言い渡す。」


「ま、待ってください。

私はぁ、嘘なんかついてないんです。

ほんとにいじめられてて、ほんとに辛かったんです。」


この子やっぱりバカですね。

陛下の言葉を遮るなんて、もしかしてあえてやってるのかな?不敬罪狙い?

まあ、そんなはずはないので、ただ頭が悪いだけですね。


「そこの令嬢、いつ余が口を開いて良いと言った?」


「だ、だってぇ、王様がちゃんと話を聞いてくれないからぁ。」


あーあ、陛下に向かってそんなことを言うなんて、さらに罰が重くなりますね。

流石の殿下も顔真っ青です。

ここまでくると少しおかしくなります。


「貴様らの罪に関しては既に議論の余地なしと言ったはずであるが?」


「そんなの間違ってますぅ。ワタシは被害者なんです。」


「ほぅ、余が間違えていると?

これだけ罪を重ねているお主が被害者だと?

お主は余をバカにしておるのか?」


セレン様、もはや様をつけるのもイヤになってきたので、おバカさんと呼びますね。おバカさんの陛下に対する失礼極まりない発言にもはや全ての人が怒りを通り越して呆れています。

陛下は陛下で、お馬鹿さんを威圧しまくってます。


「ひっ!わ、ワタシはぁ」


「せ、セレンもうやめろ!」


流石の殿下も止めに入りましたね。

まあ、もう遅いですけど。


「そこのバカの相手をしていては話が進まん。

判決を言い渡す。

2人については、エルベス嬢の訴えを全て認め、さらにセレン=サンデルスには不敬罪も付け加える。

これにより、セレン=サンデルスは死刑とする。なによりも、不敬罪と上位貴族に対する侮辱罪などは1つであっても死刑になりうるものであり、それを複数犯していることはもはや擁護のしようがない。

また、ここにはいないが父親のサンデルス男爵に関しては、その堅実な領地運営などにより功績を残している。そのため、爵位剥奪に刑をとどめ、その後は、新しい領主の補佐官としてついてもらうこととする。

そして、アルフレッド、貴様は多くの罪犯しているが、王族であるがために死刑にはできん。

よって、貴様は廃太子とし、生涯西の塔へ幽閉とする。

以上だ。


エルベス嬢、愚息が迷惑をかけた。

婚姻によって、この国の経済を担うエルベス家と縁を結べればと思ったのだが、残念だ。」


「いえ陛下、もったいないお言葉です。」


「そのもの達を連れていけ!」


「イヤー!私は悪くないわ!」


王太子、いえ、元王太子のアルフレッドはもはや観念したのか絶望しているだけなのか、何も言わずに衛兵に引きずられていきます。

おバカさんの方は、往生際が悪く、引きずられながらも喚き散らしているのでした。



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