第4話 逆に断罪してあげますよ
「いいえ殿下、私は王太子妃の座に固執する気はありません。」
「な!?では、なんだというのだ!」
ふふ、後悔してももう遅いですよ。
では始めましょうか。
「私、ロザリア=エルベスはアルフレッド=デンバーク殿下を告発いたします!」
「なに!?ふざけるな!
たかだか伯爵令嬢ごときが、この俺を告発するなど、身の程を知れ!」
「殿下、私の話はまだ終わっておりません。
続けさせていただきます。
まず、アルフレッド殿下は不貞行為を働いています。
先程殿下が発言したように、私という婚約者がありながら、殿下はセレン様を婚約者にするなどと発言しており、浮気をしていたことは明白です。また、アルフレッド殿下がセレン様と街を2人で歩いていたり、個室に入っていく姿を多くの人が目撃しており、当然、影から報告も上がっているものと思われます。
次に、この建国記念パーティーにおいて、私がいじめをしていたという謂れのない罪を着せられたことについて、名誉毀損及び侮辱罪です。
最後に、婚約者に対してかかる費用をある程度、アルフレッド殿下の裁量で使うことが認められておりますが、ここ数年は私に対して一切お金が使われていないにも関わらず、予算からは多くのお金が使われております。これについて財務省が調べた結果、そちらのセレン様に使われていることが判明しております。これは横領であり、詐欺罪にあたります。
以上の3件で、アルフレッドを告発し、重ねて、私からアルフレッド殿下に対して婚約破棄を申し立て、慰謝料を請求するものです。」
かなり捲し立てるように言ってしまったけど、アルフレッド殿下は理解できていないでしょうね。
あーあ、王妃陛下はもうぐったりしていらっしゃるわ。
「な、な、き、貴様!」
「また、名誉毀損及び侮辱罪に関しては、セレン様にも当てはまることであり、セレン様にはさらに、虚偽告訴罪も加えて、告発します。」
「そ、そんなぁ、だってぇ~。」
きっとセレン様もほとんど理解できていないのでしょうね。
おそらく、自分が告発されると聞いて怯えているだけ、もはやアルフレッド殿下に媚を売る気力もないのでしょうね。
「私からは以上です。」
ここからはアルフレッド殿下とセレン様の断罪です。
国王陛下がどんな処分を下すのか、お2人には自分の行いをしっかりと反省していただきましょう。
「うむ、エルベス嬢の告発について、すでに証拠は揃っており、議論の余地はあるまい。
よって、この場で処分を下す!」
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