第2話 冤罪を晴らしましょう①

「ではまず、私がそこの男爵令嬢をいじめたとおっしゃいましたが、その証拠を示してください。」


まあ、当然ですよね。断罪しようというのですから、それ相応の証拠があるはずです。

まあ、証拠を偽造してくれば、あなたの罪が増えるだけですけどね。


「うむ、セレン、証言してやれ。」


「はい!ワタシは~、そこにいるロザリアさんに~、たくさんいじめをうけてました~。」


この方の喋り方も結構ムカつきますね。

まあ、こっちも目を瞑りましょう。


「はあ、そのようなことはしておりません。それで、証拠はあるのですか?」


「だから今セレンが証言しただろう!」


え?もしかしてこの人たち、そんな証言1つで証拠になると思ってるの?

いやいやあり得ない、、、とも言えないのが殿下でした。


「殿下、そんなことでは証拠にはなりません。

例えば、目撃証言などはあるのですか?」


「ひどいです~。ワタシは~ウソなんかついてないのに~。」


「貴様!セレンを泣かせるな!

目撃証言などいらん!セレンが言っているのだから間違いない。」


「殿下、本気で仰っているのですか?」




その時、会場の扉が開き、国王陛下と王妃陛下が入場なさいました。

これには流石の殿下も私への断罪を中断せざるを得なかったようです。

そして、両陛下は玉座へと近づいていき、その途中に立っている私と、玉座の目の前に立っている王太子殿下を見て、動きを止めました。


「これはなにをしておるのだ?」


「父上!良いところに来てくれました。私はロザリアとの婚約を破棄し、国外追放を命じます。そして、このセレンと婚約します。」


「なに?」


国王陛下は怒りをあらわにした、低い声を出します。

そして、王妃陛下は顔を真っ青にしています。


「陛下、恐れながら発言の許可をいただけますでしょうか。」


「エルベス嬢、よかろう。」


「ありがとうございます。

今回の一件、しばらく見守っていただけないでしょうか。

私にも考えがあります。」


「…………わかった。」


陛下は少し考えている様子でしたが、結局、しばらくは待ってくださることになりました。


さあ、殿下の考えはよく分かりました。では、こんな馬鹿馬鹿しい冤罪はすぐにはらして、反撃といきましょうか。



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