私が罪を?断罪されるのはあなたですよ、殿下

四季

第1話 私を断罪ですか?


「ロザリア=エルベス!貴様はこれまで数々の罪を犯してきた。

貴様は俺の婚約者に相応しくない!

よって、婚約を破棄し、お前を国外追放とする。」


私はロザリア=エルベス、エルベス伯爵家の長女です。

そして、今私に婚約破棄と国外追放を言い渡したのは、この国、デンバーク国の王太子であるアルフレッド殿下です。

はっきり言って、もともと婚約などしたくはなかったので、婚約の解消なら喜んでお受けするのですが、婚約破棄と国外追放は受け入れることはできません。

だって私には一切心当たりがないのですから。

その上、殿下の隣にはピンクの髪にピンクのドレスで、娼婦のように露出の激しい男爵令嬢が立っています。

どうしましょう。


「殿下、一応お聞きしますが、私の罪とはなんでしょう?」


「ふん!そんなこともわからんのか、この俺が教えてやるからよく聞け!」


やっぱりこの方の喋り方がムカつきますね。

まあいいでしょう。

聞いて差し上げましょう。


「まず、お前はここにいるセレンのことを学園でいじめていただろう!

セレンは俺の婚約者になる女だ。そのセレンをいじめたことは万死に値する。」


いや、いじめてませんが?

婚約者になる女性って、一応まだ私が婚約者なんですけど?

万死に値するって、たとえいじめてても万死には値しませんよね?

まあ、最後まで聞いてあげましょう。


「そして、お前は王太子であるこの俺を立てることもせず、いつもいつもこの俺に小言や説教をたれる。不敬である!


以上のことから、お前は俺の婚約者に相応しくない!この国にもいらない!

わかったかバカものが!」


いやいやいや、婚約者として公の場ではあなたのことを立ててましたよね?

っていうか、あなたの評判が悪すぎて立てるも何もなかったですけどね。

それに、婚約者にダメな点があれば、未来の王として直してもらわなきゃダメだから注意をしただけですけど?!

どこが不敬なんですか?


「終わりですか?」


「なに?」


「私の罪とは、それで終わりでしょうか?」


「そうだ!これほどの罪を犯したのだ!即刻この国から出ていけ!」



はあ、このかたはやはりお馬鹿さんのようですわね。

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