第15話
こいつは自らの手で勝負することもしないというのか!?いや、これはこいつなりのフェアなやり方なのかもしれないな。まだ様子を見よう。
アキラ「代理人を立てるって誰をだ?」
神「そうだね、適当に人間を一体作ったら送るよ。」
アキラ「だからそれを止めろと言ってるんだ!」
神「はいはい、わかったよ。それなら向こうの人間を一人使おう。」
アキラ「……まあ、それならいいか。その人の特徴とかは教えてくれるのか?」
神「異世界に着いたらヒントでも出しておくよ。」
アキラ「わかった、それで制限時間はどうする?」
神「君が死ぬまででいいよ。」
アキラ「見つけるまで僕は元の世界には帰れないのか?」
神「蘇生までしたんだから御の字だろ? その上、送迎までしろって? 随分と図々しいことを言うね。」
アキラ「……そうだな、そうだったな。」
残りの人生は異世界で過ごすのか、まあ、仕方ないな。
神「その件にも関わるけど賭けの内容を決めてもいいかい?」
アキラ「ああ、どんな内容がいい?」
神「君が勝ったらどんな願いも一つだけ叶えてあげるよ。」
アキラ「…何でもか?」
神「ああ。 元の世界に帰りたい! 金持ちになりたい! 不老不死になりたい! 過去をやり直したい! 世界征服をしたい! 全知全能になりたい! 何でもござれだ。」
そしてまた嫌らしい笑みを浮かべて言った、
神「神を殺したいでもいいんだよ?」
アキラ「本当に叶えてくれるのか? 嘘をついてるだけじゃないのか?」
訝しげに神を見た。
神「嘘? 嘘なんて雑魚が使うものだろ? 神である僕が君に? そんな事する必要が無いだろ。」
フッ、と鼻で笑ってくれたよ。
アキラ「それもそうだな、それに関しては信じよう。僕が勝った時の内容はわかった、負けた時はどうなる? もう一度死ぬだけか?」
神「いや、僕のオモチャになってもらうよ。」
アキラ「って言っても敗北条件は僕が死んだ時だろ? 僕の死体でもオモチャにするのか?」
神「何を言ってるんだい?」
神は首を傾げた後、こう告げた。
神「もう一度生き返らせてあげるよ。」
そうだった、こいつはこういう奴だった。
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