第14話 国王side②
どこで間違えた?
私はただ、妃が言った通りにしただけだ。
もちろん、オルステイン公爵家を敵に回してはいけないというのは分かっていた。
しかし、オルステイン公爵家との戦争の道を選んだのは妃であり、その原因となったのも息子だ。
その息子の教育にしたって、妃が自分でやりたいと言ったから任せたのだ。
私が悪かったのか。
こんなところで処刑されて終わるのか。
「このような飯が食えるか。私は王太子だぞ!」
「こんな粗末なものは食べられないわ!」
「何よこれ!こんなことになるならこんなバカ男になんて近づかなかったわよ!」
「な、バカ男だと!?アイリ貴様、この私が散々目をかけてやったというのに!」
ハア、妃といい、バカ息子といい、阿婆擦れ男爵令嬢といい、騒がしい奴らだ。
こんなことになった原因である息子と男爵令嬢は日に日に仲が悪くなり、互いに貶しあう日々。
「……るさい、」
「なんですか父上!」
「うるさいと言っとるんだ!
だいたい誰のせいでこんなことになったと思ってるんだ!恥を知れ!」
「まああなた!なんなんですか大声をだして!」
バカ息子は怒鳴られて固まっておるし、男爵令嬢は自分が関係ないかのような態度をとっている、王妃は一体何を考えているのやら。
処刑日が来た。
兵士によって、断頭台にまで連れていかれる。
「イヤだ!イヤだ、私は死にたくない!私は騙されたんだ!
おいセレナ、私を愛しているだろ!私を助けろ!」
「イヤイヤイヤ、死になくないわ!」
妃も息子も往生際が悪い。
見てみろ観衆を。多くのものが笑っている。我が王家に感謝しているものなどいないのだ。
サンフロール王国は公爵家によって支えられてきた国だ。だから皆、オルステイン公爵家に感謝をする。
王家を助けようと思うものなど一人もいない。
見てみろ息子よ、オルステイン嬢を。
お前を、いや、我々を軽蔑した目だ。お前を愛していることなどあり得ない。
私たちは、この死を受け入れるしかないのだ。
惨めな最期だ。
だが、受け入れねばなるまい。
私たちは間違えたのだ。そして、負けたのだ。
愚かであっても愛していたぞ息子よ。
政略結婚で、恋愛などなかったが、妃のことも愛していた。
お前達に厳しさを与えてやれずにすまなかった。
さらばだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます