合流(語り:コノハ)

コノハ「それで、こっちは?」

コノハは、傍らに寝かせてあるショウ・プッシュ・パープルの方を見た。彼女達はまだ目を覚まさない。


アーキル「こいつらは、昨日から洞窟ここに潜ってたんだろ?ってことは、まる1日くらい麻痺してたってことか」

ケニー「ローパーは、獲物を麻痺させて体液を徐々に吸い取っていきますからね。今はまだ大丈夫そうでしたが、もっと長引いていたら危なかったでしょうね」

ルディア「私たちも、ミシアちゃんがいなかったらこうなってたんですね…」

ケニー「そうですね。さすがにベテランの彼女たちでも、ローパーの毒に気付かなかったか、気付いたときには手遅れだったんでしょう」


コノハ「それで、この後どうするの?」

アーキル「置いていくというのもひとつの手だが…」

ルディア「もちろん、このままここに置いていくわけにはいきません。目を覚ますまで、ここで休憩しましょう」


・・・


しばらくして、ショウたちは目を覚ました。

ショウ「…ここは…」

ミシア「あ、目が覚めた?」


アーキル「よう、また会ったな」

ショウ「君たちは…ジャイアントオクトパスのときに助太刀してくれた…」

プッシュ「エスウィングのルディアとコノハとミシアだな」

ケニー「なぜ女性の名前だけ…」

パープル「もう、プッシュったら、失礼でしょ。…あなたたちが助けてくれたのね。どうもありがとう」

ミシア「にしし、どういたしまして!」


アーキル「やっぱり毒に気付かなかったのか?」

ショウ「ああ…気付いたときには手遅れだった。最初に足が動かなくなり、急いで陸に上がろうとしたのだが、その前に全身が麻痺した」

プッシュ「それでも目と耳と鼻は効いたからな。ローパーが近付いてきて、触手でぐるぐる巻きにされるのは分かったぜ。まったく、触手プレイは女性陣だけにしてほしいもんだ。いてっ!?」

パープルはプッシュの頭をどついた。

パープル「プッシュ、あんたねぇ…!」


ルディアはプッシュの言った中に分からない言葉が出てきたので、疑問を口にした。

ルディア「触手は分かります。ローパーの上に生えている太い紐のようなものですよね?プレイってどういう意味ですか?」

ミシア「大人の絵本にあったような気がする。今度見せてあげるね」

ルディア「はい、お願いします!」

コノハ「やめい!」

コノハはミシアにつっこみを入れた。


ケニー「それで、これからどうしますか?」

ミシア「ボクたちは、もちろん先に進むよね?」


コノハ「貴女たちも、薬を取りに来たの?」

コノハはショウ達に訊ねた。

ショウ「ああ、その通りだ。と言うことは、君たちもか。私たちも薬を手に入れる為に、奥に進む」

ケニー「しかし、ラリル村では貴女たちの話は聞きませんんでしたね?」

パープル「わたし達はロレル村で薬の話を聞いたの。ラリル村という所には行ってないわ」

ケニー「なるほど、この島の近くの別の村ですか。そういう事もあるでしょうね」


ミシア「じゃあ、一緒に行かない?」

コノハ「まぁ、行き先は一緒よね」

ケニー「この洞窟は一本道だと聞いていますし」

プッシュ「おれは賛成だぜ!可愛い子ちゃんが一緒だと華やかだしな!」

パープル「…あんた、まだ殴られ足りないようね…?!」

ショウ「はは…。プッシュの言い分はともかく、君たちと同行させてくれるなら心強い」


アーキル「手に入れた薬はどうする?山分けか?」

ショウ「こちらは1人分だけあればいい」

ミシア「ボクたちも1人分だけあればいいよ」

アーキル「分かった。魔液はどうする?」

魔物を倒した後に残る魔液は、冒険者の収入源だ。ローパーの魔液もアーキル達は回収してきていた。

ショウ「こちらは魔液が目的ではない。君たちに全て譲ろう」

プッシュ「おい、いいのかよ」

パープル「いいじゃない。わたし達を助けてくれたお礼だとしても、安いくらいだわ」

アーキル「なら、契約成立だな」

と言いつつ、アーキルはエスウィングのリーダーであるルディアを見る。

ルディア「はい!一緒に病気の子供たちを助けましょう!」


こうして、エスウィングとショウパーティーは、一緒に洞窟の奥を目指すことになった。

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