作者(語り:ミシア)

ミシアたちは、読み終わった絵本『ジャイアントオクトパスの海岸物語』を本棚に返しに行った。


そこに、老人が通りかかった。

お爺さん「おや…?もしかして、お嬢ちゃんたち、その絵本を読んだのかい?」

ミシア「うん!」

お爺さん「おお、そうかそうか」

お爺さんは相好を崩した。


お爺さん「実はその絵本はな、わしが書いたんじゃよ。面白かったかね?」

ミシア「ええ?!そうなの?!」

タニア・タリア「とっても面白かったわ!」「とっても面白かったです」

ライラ「ジャイアントオクトパスの姉妹が力を合わせて戦うの~、とっても良かったわよね~」

お爺さん「…はて?そんな話じゃったかのう…?」

老人は首をかしげた。


ミシア「ジャイアントオクトパスは今朝見たけど、大切な宝物を取り返しに行く途中だったのかなぁ?」

お爺さん「お嬢ちゃん、本物のジャイアントオクトパスを見たのかい?!」

ミシア「うん。ていうか、戦ったよ!」

お爺さん「なんと!お嬢ちゃんがかい?」

ミシア「ボク、冒険者だからね!」

お爺さん「そうなのかい…?しかし、並の冒険者では太刀打ちできぬと聞くぞ…?」

ミシア「ベテランの冒険者がいたからね。あっという間に倒しちゃったよ!…でも、倒しちゃかわいそうだったかなぁ…?」

お爺さん「ほっほっほ。絵本と実在の魔物とは関係ないぞい。この近海にジャイアントオクトパスがいると聞いて、想像で書いただけじゃからな」

ミシア「そうなの?」

お爺さん「そうなんじゃ。なにせジャイアントオクトパスと言えば、クラーケンと並んで海の主とも言われる魔物じゃからのう。絵本のテーマにもってこいだったんじゃよ」

ミシア「へ~」


お爺さん「なんにせよ、楽しんでもらえたのなら良かったわい。ありがとうな、お嬢ちゃんたち」

ミシア「こちらこそ、ありがとうございました」

タニア・タリア「ありがとうございました」


ミシアたちは笑顔でお爺さんと別れ、部屋に戻った。

今晩は楽しい夢を見られそうだ。

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