第1部 海岸戦

クラーケンに『歩行石』という魔法の宝石を盗まれたジャイアントオクトパスのタコミは、盗まれた宝石を取り返すために旅立ちました。


タコミ「クラーケンが住んでいる場所は噂で聞いたことがあるぞ。青い海の向こうに浮かぶ黒い島。あそこにクラーケンが住んでいるはずだ」

タコミは、8本の足を器用に操り、浜辺の上を歩いていきます。


カラス「カアー!カアー!ここは通さないぞ!」

カニ「かにー!かにー!あわあわ!ちょきちょき!ここは通さないぞ!」

カメ「かめー!かめー!こつんこつん!ここは通さないぞ!」

途中で、赤いカニや黒いカラスや緑色のカメがタコミの妨害をしてきました。


タコミ「ふっ!ふっ!」

タコミ「ぺっ!ぺっ!」

タコミは華麗なフットワークで攻撃をかわし、口から黒い墨を飛ばして、邪魔するやつらを撃退していきます。


ミシアが読んだ絵本の内容に、タリアは疑問を感じた。

タリア「カラスって海の生き物でしたっけ?」

ミシア「さあ?絵本にそう描いてあるんだもん…。ここら辺の海には住んでるんじゃない?」


タニアも疑問を口にする。

タニア「歩行石が無いのにどうしてジャイアントオクトパスは地面を歩けるの?」

ミシア「…元の持ち主だから、しばらくは無くても大丈夫なんだよ、きっと。たぶん」

設定など深く考えていなかったミシアは、しどろもどろになりながら、なんとか答えを返したのだった。


妨害に負けずにタコミが進んでいくと、海の中から茶色い小島が浮かび上がってきました。

小島には目と口が付いており、怒りに燃えています。

小島「ボカーン!ボカーン!ここは通さないぞ!」

小島は噴火して、頭のてっぺんから岩を飛ばしてきました。

タコミは飛んできた岩を墨で弾き飛ばしていきます。


しばらく経つと、小島は噴火するのをやめて、目を回してしまいました。

小島「うーん、疲れた…。もうダメ…」

タコミの勝利です!


小島の口は大きく開き、洞窟の入り口になりました。

なんと、この洞窟がクラーケンの住む島への道になっていたのです。

タコミは勇んで洞窟に入っていきました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る