第1章 海水浴へ
ミシア登場(語り:ミシア)
ミシア「ボクが!看板店長のミシア!です!」
タリア「きゃー!お姉さまー、きらきら~♪」
タニア「きゃー!おねえちゃーん、きらきら~♪」
宿酒場『甘いはちみつ亭』の1階の酒場に、ミシア達の元気な声が響き渡った。
ミシアは両足を肩幅くらいに開いてどっしりと床に立ち、拳を腰に当て、えっへんと薄い胸を張る。
ミシアの右側ではタリアが片膝をつき、両腕をミシアの方へ伸ばして、指を大きく開いてひらひらと手を振る。
ミシアの左側ではタニアが同様の姿勢と動きをしている。
タニアとタリアはミシアの3才下の妹で、顔や体つきはそっくりである。事情を知らない者が見たら、双子だと思うだろう。
一番簡単な見分け方は、服装だ。2人ともピンク色の可愛らしい給仕服を着ているが、タニアは半袖、タリアは長袖だ。(冬になったらどちらも長袖になるだろうから、この方法では区別できないが)
髪のサイドテールもタニアは左側、タリアは右側と対称的なので、それで区別することも可能だ。
そんな2人がミシアの両脇にいるので、ポーズは左右対称でばっちりと決まっていた。
ミシアは背が低いので10才くらいに見えるが、この秋に16歳になった。(クラスタリアでは15歳で成人と見做される)
当人が言っている通り甘いはちみつ亭の店長であり、冒険者でもある。
ルディア「きゃ~、可愛いです~!」
スカリィ「きゃ~、ミーシャおねーしゃま~!」
ミシアのポーズを見て拍手しながら喜んでいるのは、ルディアとスカリィだ。
ルディアはミシアが所属している冒険隊『エスウィング』のリーダーである。
セミロングの水色の髪が美しい美少女で、
スカリィは甘いはちみつ亭があるハルワルド村の村長の娘姉妹の妹の方で、4才。
姉のサティにくっついて、甘いはちみつ亭に来ていた。
サティ「はあ…」
アーキル「ふん…」
ミシアのポーズを白けた表情で見ているのは、アーキルとサティ。
サティは村長の娘姉妹の姉の方で、ミシアやタニア・タリアの幼馴染である。
アーキルはエスウィングのメンバーで、
ミシアのこのポーズを見るのはもう何度目か。すっかり飽き飽きしていた。
コノハ「そんな露骨に態度に出しちゃ、失礼でしょ」
ケニー「そうですねぇ…」
ミシアのポーズを見て苦笑しているのは、コノハとケニー。2人ともエスウィングのメンバーである。
コノハは長い金髪のエルフ人で、弓の名手。
ケニーは防壁魔法と治癒魔法を使いこなす回魔士であり、エスウィングの知恵袋でもある。
ケニー「それで、わざわざ僕らを集めたのは、何のためですか?」
ケニーはミシアに問いかけた。
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