更に、異世界転生の場合┈┈case-2





信じたお方は嘘つきでした。


裏表があるのは分かってた。

けど、まさかまた神様が偽物だったとは思わなかった。


それでも自分が信じているあの方を信じたかった。

だってそうしてないと、もはや何を信じれば良いのか分からなくなるでしょ?


馬鹿な私には信じたものに縋るしか方法がないの。

自分で判断をする勇気が私にはもう残ってないから。




…想いが通じたのか、私はあの方、お爺さんの陣営に選ばれた。

少し報われた気がしたよ。

頑張り次第で、今度こそ私が信じたものの正しさを証明出来るかもしれない。


…正直半分諦めてるけどね。

自分が馬鹿なのはもういい加減分かってるし。

でも、例えもう自分を信じる事が出来なくても、“もしかしたら”は信じられるかもしれないでしょ?


投げやりに思えるかもしれないけど、馬鹿な私にはそれが最善なの。




…運にも見放されてるかもしれないけどね。

私とペアになった人は暗い感じの女の人だった。


転生する前にとりあえず話しとこうと思って話しかけたんだけど、我慢がどうとか自由がどうとか、何か面倒くさそうな感じの人。

根暗なのは私と似てるかもしれないけど、こだわりが強そうで私は苦手。

一度思ったら絶対に曲げない頑固な感じがねぇ。


協力しなきゃいけないのに納得しないと協力してくれなさそうで、転生前から悩ましいよ本当…。

とりあえずハイテンションに接しとけば何とかなるかな?



不安しかないよ。





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈





転生してすぐに、私は仲間のあの人を探す事にした。

私一人でいるよりかは二人でいた方が良いと思ったからね。


探し方は私の能力を活かした。

人を探せる魔法を覚えて、膨大な魔力を活かして広い範囲を探したの。


転生すると見た目とかも変わるから魔法で探す人の条件を、転生者に指定してーとか色々工夫もしたよ。

そしたら意外とあっさり見つけられた。



…二人ね。

どっちが仲間の人か分かんなくてものすごく困っちゃった。


だって二人共暗そうな感じなんだもん。

これでもし間違えて敵対してる方の人に声かけちゃったら、せっかく二対一で有利なのに意味無くなっちゃう。


それに私は自分で判断するのが怖かった。

もう自分に自信無いし。



だからまず私はそれを調べられる魔法を覚える事にした。

相手の過去を覗ける魔法を。

難しい魔法で、魔力の使い方とかがすごく上手くないと本当は使えない魔法なんだけど、私は魔力をいっぱい流して無理矢理使う事が出来た。


という事でまずは一人目。

魔法を使ってもなぜか過去が読めなかった。

失敗かと思ったけど他の人には使えたから、きっとそういうのを防げる能力みたいなものがあるのかもしれない。


次に二人目。

今度はちゃんと魔法の意味があった。



読めた過去にゾッとした。


突然キレて何人も人を殺した過去。

好き放題人の物を略奪していた過去。

暗黙のルールを破り魔女として勝手をしていた過去。

そんな過去が走馬灯?みたいな感じで頭に入ってきた。


この魔法は周りの人から見たその人の過去しか見れない。

本人がどう思ってとかは分からないけど。


…我慢がどうと言っていたあの人とは程遠い。

多分、いや。

間違いなくこの人は違うと思う。



そうなるともう一人の方が仲間って事になる。

信じていいんだよね…?


勇気を振り絞ってハイテンションで声をかけてみよう…!

そう思って声をかけたら最初はびっくりされたけど、説明したら納得してもらえたみたいだった。



























だってその瞬間すごい勢いで剣を出して斬りかかってきたんだもん。

狂ったみたいに魔法とか剣とか使って襲ってきて…。


この人がちゃんと仲間でヤバい人なのか、それとも仲間じゃなかったのか、とか色々考えながら必死に逃げた。

私そんなに戦ったり出来ないし。



最初に切り落とされた右手が痛すぎる。

それでもまだ追っかけてくる。


逃げようとしてすぐに切られた左肩も痛い。

それでもまだ追っかけてくる。


右脚も千切れそうだし、背中の火傷も痛い。

それでもまだ追っかけてくる。


痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い



どんどん身体がボロボロになっていく。

騒ぎを聞いて周りの人が止めようとしても、あの女の子は周りの人すら殺して止まらない。


助けてほしくて私は、必死でもう一人の見つけてた人の所に向かった。



その人の家の前に着いた時、私は息をする事すら辛かった。

腰から下とかもうグチャグチャ。

というより、グチャグチャじゃない所を探す方が難しいぐらい。


壁伝いとか、床を這ったりとか、そうしてようやく着いて。


血を吐きながら助けてって言ったのに。



仲間の筈のあの人は素知らぬ顔でバレないようにコソコソ逃げてった。




あははははははははははっ!




もうむり。







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転生例 No.24,25 …学生:B,成人:B

転生先 …剣と魔法の世界

死亡原因 …前者は出血多量による失血。後者は何時襲われるかというストレスによる精神衰弱と老衰。


転生例 No.26 …学生:D

転生先 …上と同じく

死亡原因 …勇者の力の多用に肉体が耐え切れず肉体が崩壊。

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